途中下車 ページ37
｢あれ、ここでいいんですか？｣
｢いいみたいです……｣
目的地は私の家にしてたから、
ここで降ろしてくださいって言った私に聞き返す運転手さん。
お金を払って降りたあとは、
とりあえずテレビ局まで戻って正面の入り口付近。
……………くるのかな？
でもなんでだろう。
『ちょ、そこにいろ！』
焦ったような櫻井さんの声が耳に残ってた。
でも、何はともあれお礼をしなきゃいけないし。
櫻井さんの機転のおかげでパフォーマンスを認めてもらって
…………ファンができた。
｢……………うれしいな、｣
嬉しさの余韻が残る胸の中。
『まだきっと勘違いしてるファンの子はいると思う』
『でも私たちが守るから』
『だからAさんは自分の信じた道をひたすら走って』
『私たちはずっとついていくから』
｢っ、｣
みんなの言葉。
あったかい。
思い返してまた涙が溢れる。
疎らに行き交う人たちに見られないように柱の陰に隠れて涙を拭っていたら。
｢っ、おいっ！｣
少し遠くから聞こえたその声。
だけど切り取られたみたいに
スポットライトが当てられてるみたいにはっきり聞こえて、
｢…？｣
声がした方に目を向けたら
"こっち来い"
口パクでそう言っておいでおいでしてる櫻井さんの姿。
路肩に停めた車の運転席から身を乗り出してる。
｢っ！！は、はいっ、｣
こんな小さい声じゃ聞こえない距離なのにそう返事をして走り出して、
そのまた焦ったような顔にこっちまで焦りながら近づいた車。
あとちょっと、って手を伸ばすと後部座席のドアが勝手に開いて、
｢早くのんな｣
そこには真顔の二宮さんの姿。
｢は、はい！｣
2人の剣幕に圧倒されながら慌てて後部座席の二宮さんの隣に滑り込むと、
足を入れるのと同時にドアがしまってすごい勢いで車が走り出した。
｢…どうしてここに、………｣
来てくれたんですか？
そう聞こうと思っても、空気が重くて口を閉ざした。
｢とりあえずここだとあれだから、俺の家で。
ニノもいい？｣
｢ん｣
小さい声でやりとりする櫻井さんと二宮さんの声を聞きながら、
………………………………怒ってる？
焦ってる？慌ててる？
読めない2人の感情。
スモークがかかった黒い窓ガラスから薄く見える外をぼんやり眺めていた。
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ちぃ(プロフ) - おかえりなさい！長らく更新されてなかったので半分諦めつつも、素敵なお話しなので登録解除も出来ずにいましたが… 戻ってきて下さってありがとうございます！ 退職万歳＼(^o^)／ (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 038f602d6e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメです！hiroさん戻ってきてくださって嬉しいです！！あと、退職おめでとうございます笑笑 お話の続き、楽しみにしております。気長に待っておりますので、ご自身のペースで更新なさってください！ (2021年9月20日 1時) (レス) id: c72bd2a0fb (このIDを非表示/違反報告)
∞横山あらしちゃん∞(プロフ) - 初めまして。この作品が大好き過ぎてずっと待っていました(´；ω；｀) これからも楽しみにしております！！ (2021年9月16日 23時) (レス) id: b6736fcc7a (このIDを非表示/違反報告)
ほしにゃあ(プロフ) - ここで更新終わりなのでしょうか…？続きが気になってしまいました…！主人公ちゃんの成長を見守りたいてす！ (2020年12月29日 3時) (レス) id: 5991f59eda (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - かずなさん» ひー！！！さっそく戻ってきていただけるなんて……………ありがとうございます(ToT) (2020年1月14日 19時) (レス) id: fea287eb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hiro
| 作成日時：2019年7月19日 9時
