いつもと違う ページ30
｢………………よし｣
たどり着いた扉に手をかけて深呼吸。
きっとまたこの向こう側には彼女たちが怖い顔で立っていて
なんならもしかしたら、
体調の悪さとかパフォーマンスの悪さとかが伝わっててもっと怒ってるかもしれない。
……けど行かなきゃ
分かってしまっていたら精一杯謝って、
だけどみなさん優しくてって嵐のみんなの評価をあげて
───わたしをおとしてでも
｢…………遅くなりました、｣
覚悟を決めてそのドアを開けた。
｢……………………………………｣
いつもの顔ぶれ。
何十人も集まったその人たち。
………だけど
｢……………………あれ？あの………｣
なにも言わない。
いつもなら入ったとたんに殴る勢いで近づいてきて罵声を浴びせてくるのに
今日はなぜかみんな固まってて
その目は何かに怯えるようで
｢…………どうかしました？｣
なに………？
恐怖と体調の悪さで震える膝を必死に立たせてゆっくり近づく私に。
｢……………大丈夫なの｣
沈黙を破るように小さく聞こえたリナっちの声。
｢え、｣
リナっちの声なんてずっと聞いてなかった。
ここにはずっと来てたけど隅っこで俯いてただけだったから。
それにその言葉が
声色が
───────心配、してくれてるみたいで
｢A、体調悪かったでしょ｣
久しぶりに呼ばれた名前に思わず視界が滲む。
……………だめ、泣いちゃダメ
必死に目に力をこめて押さえ付ける。
｢なのになんであんなに……………｣
リナっちの涙声が頭に響く。
お互い目を見れないまま、なにも言えないまま立ち尽くしていたその時。
｢……………歌うまいんだね｣
いつも私を『消えろよ！』って詰ってた人がポツリ。
｢……………そ、でしょうか｣
初めて誉めてもらえて、何て返せばいいのかわからなかった。
ボソッと呟く私の声はひどく掠れてる。
｢ダンスなんてクソかっけーじゃん｣
その人の隣ではいつも私を冷たい目で睨み付けてた金髪の人。
口調は強いけど声が優しくて
思わず顔をあげてぶつかった目線が優しくて
｢………………あんたさ、｣
いつも中心にいて、
『死んでよ』って
『あんたなんか死ねばいいのに』って
私が息絶えることだけを望んでいた人。
揺れる視線が私に定まって、一言。
｢なんで毎日馬鹿みたいにここきてんの｣
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ちぃ(プロフ) - おかえりなさい！長らく更新されてなかったので半分諦めつつも、素敵なお話しなので登録解除も出来ずにいましたが… 戻ってきて下さってありがとうございます！ 退職万歳＼(^o^)／ (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 038f602d6e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメです！hiroさん戻ってきてくださって嬉しいです！！あと、退職おめでとうございます笑笑 お話の続き、楽しみにしております。気長に待っておりますので、ご自身のペースで更新なさってください！ (2021年9月20日 1時) (レス) id: c72bd2a0fb (このIDを非表示/違反報告)
∞横山あらしちゃん∞(プロフ) - 初めまして。この作品が大好き過ぎてずっと待っていました(´；ω；｀) これからも楽しみにしております！！ (2021年9月16日 23時) (レス) id: b6736fcc7a (このIDを非表示/違反報告)
ほしにゃあ(プロフ) - ここで更新終わりなのでしょうか…？続きが気になってしまいました…！主人公ちゃんの成長を見守りたいてす！ (2020年12月29日 3時) (レス) id: 5991f59eda (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - かずなさん» ひー！！！さっそく戻ってきていただけるなんて……………ありがとうございます(ToT) (2020年1月14日 19時) (レス) id: fea287eb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hiro
| 作成日時：2019年7月19日 9時
