N side ページ14
…………正直、ほんとにどうしたらいいのかわからなかった。
だってそんなの八方塞がりじゃない。
守ってやったってそれが裏目にでてあいつを苦しめて
あいつが苦しんでるのを助けなかったらそれはそれであいつだけが苦しくて
そんなの俺どうしたらいいかわかんないよ。
潤くんと相葉さんは少し離れた場所に座っていて、Aの側には大野さんが立っていた。
何か言ったんだろうなって雰囲気だったけど、Aの表情は無。
────けど、翔ちゃんはズケズケと踏み込む。
｢申し訳ないけど、今日の曲ちょっと変えさせてもらっていい？｣
潤くんと相葉さんを手招きで呼んだあと、
薄く目を開けたAの周りに集まった俺らに向かってそう切り出した翔ちゃん。
｢んえ、だってAちゃんが、｣
｢こいつも知ってる曲だから｣
……………どういうこと？
わけがわからなくてよくよく聞いてみると、
翔ちゃんがチョイスしたい曲はバリバリのダンスナンバー。
メドレーのド頭にそれを持ってきて、
次もめっちゃ踊る曲で、
最後は定番のラブソング。
2,3番目は変わってない。
最初に持ってくるはずだった軽めのやつをダンスが激しいやつにしたいって話らしい。
｢……でもA辛いんじゃない？｣
言いにくそうにそう言う潤くんに同意したいけど、たぶん考えがあるんだと思って黙って翔ちゃんを見た。
相葉さんもリーダーも。
Aも何も言わないまま翔ちゃんを見上げた。
みんなの視線を集めた翔ちゃんは、真剣な目でAを見つめる。
｢辛いとこ悪い。けどこれがたぶん今のとこの最善。
……………いけるか？｣
言ったあとにしゃがんでAと視線を合わせる。
｢……………｣
Aはじっとその瞳を見つめながら、軽く唇を噛んで考えるような素振り。
｢最善じゃなくても手はある。
だから出来るか出来ないかだけシンプルに知りたい｣
………近づいている俺らの出番。
今歌ってるのはあの人たちだから……
あと1時間もないってところ？
──────けどなんだろう。
翔ちゃんとAの間に感じる妙な空気。
2人の周りだけ何かで囲われてるような
目線だけで話してるような
｢…………………やります｣
小さな声でそう返したAの瞳にはさっきまで消えかかっていた光が微かに戻って。
｢よし智くんごめん。一緒にきて｣
リーダーの手を引いて走り出した翔ちゃんの背中を見送るしかなかった。
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ちぃ(プロフ) - おかえりなさい！長らく更新されてなかったので半分諦めつつも、素敵なお話しなので登録解除も出来ずにいましたが… 戻ってきて下さってありがとうございます！ 退職万歳＼(^o^)／ (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 038f602d6e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメです！hiroさん戻ってきてくださって嬉しいです！！あと、退職おめでとうございます笑笑 お話の続き、楽しみにしております。気長に待っておりますので、ご自身のペースで更新なさってください！ (2021年9月20日 1時) (レス) id: c72bd2a0fb (このIDを非表示/違反報告)
∞横山あらしちゃん∞(プロフ) - 初めまして。この作品が大好き過ぎてずっと待っていました(´；ω；｀) これからも楽しみにしております！！ (2021年9月16日 23時) (レス) id: b6736fcc7a (このIDを非表示/違反報告)
ほしにゃあ(プロフ) - ここで更新終わりなのでしょうか…？続きが気になってしまいました…！主人公ちゃんの成長を見守りたいてす！ (2020年12月29日 3時) (レス) id: 5991f59eda (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - かずなさん» ひー！！！さっそく戻ってきていただけるなんて……………ありがとうございます(ToT) (2020年1月14日 19時) (レス) id: fea287eb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hiro
| 作成日時：2019年7月19日 9時
