S side ページ19
本番。
イントロが鳴って踊り始めたこいつ……俺らもだけど。
さっきまでのフラフラなあいつはもういない。
フォーメーション的に一番前にいるこいつの姿が視界に入る。
機敏に動く手足、
ぶれない芯
あんまり見てたらやべーかな
ってちょっとファンの子達を気にしたけど、
さっきまで威嚇するような目を向けてたその子たちが見てるのは俺らじゃなくてこいつ。
……その目が
───コンサートで俺らを見てるときのような
羨望に変わっていた。
そう思ったんだ。
こいつが本気出せば伝わらないわけないってわかってた。
キラキラって言葉がピッタリなくらい楽しそうに踊るこいつが眩しい。
さっきまでの具合の悪そうな顔が嘘みたいに跳ねて、弾けて
たまに見せる真面目な横顔に思わずドキッとした。
｢ありがとうございましたー！！｣
｢これからどうぞよろしくお願いします！！｣
曲が終わって全員で頭をさげるとき。
みんなで横一列に並んで手を繋ぎ、
精一杯お辞儀した。
どうか。
こいつを認めてやってください。
敵視してしまうのはよくわかる。
俺だって最初はそうだった。
………けどこいつは大丈夫だから。
精一杯の願いをこめて頭を下げ続け、
隣を見やるとみんなも同じ気持ちなのかなかなか誰も頭を上げようとはしなくて。
─────そのとき
｢っ、｣
少し苦しそうな顔をしたあいつが１つ隣に見えた。
…………限界か？
スタッフさんからカットがかかって、
CMの間に袖にはけるその道。
ふ、
そいつが振り返って俺の目を見た。
『ごめんなさい。限界です』
その目が俺にSOSを訴えていた。
すぐに側に駆け寄ってファンの子達に見えないように腰に右手を添えると
……、あっっつ
火でも出るんじゃねーかってくらいの熱を衣装越しにも感じる。
ようやくたどり着いたステージ袖
｢っ、すいませ、……………｣
一瞬申し訳なさそうに顔を歪めたそいつの身体から一気に力が抜けていった。
｢翔ちゃんっ、こっち！！｣
俺らの後ろを歩いてたニノがすぐに気づいて楽屋へと続く廊下のドアを開けてくれ、
｢すいません！ちょっと通ります！！｣
松潤がスタッフさんに声をかけてくれる。
｢翔ちゃんマイク。返しとくよ｣
雅紀がさりげなくフォローしてくれて、
｢……よくもったよほんとに｣
俺の隣を優しい顔して智くんがついてきてくれた。
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ちぃ(プロフ) - おかえりなさい！長らく更新されてなかったので半分諦めつつも、素敵なお話しなので登録解除も出来ずにいましたが… 戻ってきて下さってありがとうございます！ 退職万歳＼(^o^)／ (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 038f602d6e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメです！hiroさん戻ってきてくださって嬉しいです！！あと、退職おめでとうございます笑笑 お話の続き、楽しみにしております。気長に待っておりますので、ご自身のペースで更新なさってください！ (2021年9月20日 1時) (レス) id: c72bd2a0fb (このIDを非表示/違反報告)
∞横山あらしちゃん∞(プロフ) - 初めまして。この作品が大好き過ぎてずっと待っていました(´；ω；｀) これからも楽しみにしております！！ (2021年9月16日 23時) (レス) id: b6736fcc7a (このIDを非表示/違反報告)
ほしにゃあ(プロフ) - ここで更新終わりなのでしょうか…？続きが気になってしまいました…！主人公ちゃんの成長を見守りたいてす！ (2020年12月29日 3時) (レス) id: 5991f59eda (このIDを非表示/違反報告)
hiro(プロフ) - かずなさん» ひー！！！さっそく戻ってきていただけるなんて……………ありがとうございます(ToT) (2020年1月14日 19時) (レス) id: fea287eb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hiro
| 作成日時：2019年7月19日 9時
