昼下がりの女神(ペッシ) ページ6
「ペッシ！ 私の竿が引いてるわ！ どうしたらいいの？ 」
のどかな昼下がり、オイラはAと釣りに来ていた。
オイラが所属する暗殺チームは、仕事に見合った報酬がもらえない。そのため、たまに魚を釣って食費を削る。
今日は、チームのメンバーに食事を作りたいから自分も連れて行って欲しいと頼まれた。
Aとは、たまに暗殺チームと一緒に仕事をする関係だ。
チームの中で最年少で、経験も浅いオイラにも優しくしてくれるAは、同い年という事もあって一緒にいるとほっとする。
「A、リールを巻いて！ 」
彼女の釣竿にかかった魚を取ってやると、嬉しそうに両手で抱えてオイラに見せてくれた。
「初めて釣れたわ！ ペッシのおかげね」
「オイラは何もしてないよ」
Aは綺麗だ。笑顔を向けられると照れてしまう。
彼女はオイラと違ってメンバーの皆にも好かれているし、プロシュートの兄貴もAには特別優しい気がする。
女の人には誰にでも優しいけど、彼女は特別な感じがして、一度兄貴にAの事が好きなのか聞いた事があった。
けれど兄貴は 妹みたいなもんだ、あいつも俺を兄みたいなもんだと思ってる と言った。
オイラには、その時の兄貴の目が少し寂しそうに見えたけれど、オイラの勘は当たらないから分からない。
「ペッシは左利きなのね」
Aはオイラの釣竿を見てそう言った。
「昔から母ちゃんに直すよう言われたんだけど、直らなくて…」
「左利きの人は右利きの人と使っている脳が違うって何かの本で読んだ事があるわ」
「そうなのかい？ だからオイラは何をやってもダメなのかな…」
「ペッシはダメなんかじゃあないわ！ 左利きの人はI.Qが高かったり数学が得意だったりするとも本に書いてあったし…。利き手の違いで自分がダメなんて思わないで」
Aは真剣な顔だった。何だか兄貴がいつもオイラに言ってくれるような、優しい言葉。
「ペッシは凄いわ！ あんなに凄いチームのメンバーなんだから！ プロシュートも、厳しいけれど見捨てないのは貴方がきっと一人前になれるって期待しているからよ」
兄貴がオイラに期待？
「輝く何かが貴方の中にあるって分かっているの」
あぁ兄貴、やっぱり兄貴はAの事が好きなんだよね。オイラにも気持ちが分かるよ。
「もっと自信を持ってねペッシ。さぁ、お魚も釣れたしそろそろ帰りましょ！」
アジトに向かって歩き出す彼女の後を追ってオイラは誓う。
兄貴、オイラ応援するよ！
Fin
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りんどう(プロフ) - こちらこそ、嬉しいです！ありがとうございます。楽しんでいただけると嬉しいです、 (2019年3月8日 6時) (
レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
haka(プロフ) - お返事ありがとうございました！ずっと探していたのですが、私自身の設定がR非表示の設定になっていた為見つけれませんでしたm(_ _)m今日からまた楽しみが増えました！ありがとうございます！ (2019年3月8日 6時) (レス) id: 2e2192d3ef (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - また分からなかったらコメント下さい！ (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - 「この作者の作品を全表示」から見られないでしょうか？面白度評価の下の方にあらます。 (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - コメントありがとうございます！長編はR18がつくのでリンクを貼れなくてすみません。 (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんどう | 作成日時：2019年1月31日 2時
