素直が一番(フーゴ) ページ44
僕の今の心境を一言で表すなら、それは「不機嫌」だ。
目の前の状況が非常に面白くない。
ナランチャはAに隙間なくくっつき、頭を撫でられたり口の周りに付いたスパゲティのソースをナプキンで取ってもらっている。
彼ナランチャがブチャラティのチームになってから、これはほぼ日常茶飯事。
僕には１つ年上だからとしつこいくらい威張りたい彼が、彼女の前では子供扱いされる事を嫌がらない。
そして、Aの恋人であるブチャラティもナランチャを気にかけ、彼女にベッタリなナランチャを許している。
今までは僕がナランチャのポジションだったのに…
もちろん僕はAにくっついたり、口の周りを拭ってもらうことなどしていない。
そういう事ではなく、ブチャラティとAと親密だったのは僕の方だった。
確かに僕は子供扱いを嫌がり、1度Aにやめてくれと言った事があったが、それは恥ずかしかったからだ。
親からは英才教育ばかりで、愛情というものを知らない。
だからAの母性が、どこか恥ずかしくどう受け入れればいいのか分からなかった。
「ナランチャより、僕の方が年下なのに…」
「フーゴ、何か言った？ 」
いつの間にか、心の声が漏れていたようだ。
「あいつ、さっきからこっち睨んでるぜ？ ヤキモチやいてんのかなぁ！？ 」
「や、妬いてませんよ！！ 変な事言わないでくださいナランチャ！ 」
こういう所だけ鋭い…
「………」
変な事言うからAがこっち見てるじゃあないか！
「ナランチャ、少し話がある」
「？ なんだよブチャラティ」
ブチャラティの一言で、ナランチャはAの側を離れ別室に行った。
「フーゴ、ちょっとこっちへ来て」
「なんですか？ 別に本当に妬いてませんよ」
しまった！ これではまるで妬いているようだな…
手招きする彼女に言われるまま動く体も情けない…
そのまま彼女の隣へ行くと…
「私がフーゴに甘えたい、じゃあダメ？ 」
急に抱きしめられた。
「………駄目、じゃあないです」
「ふふふ、良かった」
彼女はなんて暖かいのだろう。
本音を言えない僕の代わりに言ってくれた言葉が、とても素直にしてくれる。
「フーゴ、甘えたい時って誰にでもあるのよ？ ブローノだってたまに…」
「A！ 」
「あら、ブローノ」
「そういうプライベートの話をするのはやめてくれ」
珍しくブチャラティの顔が赤い。
彼にもそんな一面が…
僕も、たまには素直になってみよう。
Fin
リクエスト作品(ブチャラティ)→←オトナの階段(ナランチャ)
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りんどう(プロフ) - こちらこそ、嬉しいです！ありがとうございます。楽しんでいただけると嬉しいです、 (2019年3月8日 6時) (
レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
haka(プロフ) - お返事ありがとうございました！ずっと探していたのですが、私自身の設定がR非表示の設定になっていた為見つけれませんでしたm(_ _)m今日からまた楽しみが増えました！ありがとうございます！ (2019年3月8日 6時) (レス) id: 2e2192d3ef (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - また分からなかったらコメント下さい！ (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - 「この作者の作品を全表示」から見られないでしょうか？面白度評価の下の方にあらます。 (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - コメントありがとうございます！長編はR18がつくのでリンクを貼れなくてすみません。 (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんどう | 作成日時：2019年1月31日 2時
