スキアリ終 ページ28
「何度か話は出たんだけど、お互い忙しくてなかなか……。だから互いに行ったり来たりかな」
バッグから鍵を取り出す。
「…良かったら上がって行く? コーヒーでも入れるけど」
そういえば、この後プロシュートはどうするのだろう。
車はレストランの近くに停めてあるけど、今日はもう乗れない。
暗殺チームのアジトまでは少し距離があるし、彼の家は……知らない。
「……今のはあまり、利口な発言じゃあねーな……」
「? どうして? 」
「お前には、はっきり言葉か行動で示してやらねーと……」
プロシュートはゆっくり近づいて来たかと思えば、私を扉横の壁に追いやり片手をつく。
「……酔ってるの? 」
「酔ってると思うなら尚更、部屋に簡単に上げんな。あれぐらいじゃあ酔わねえが」
長い睫毛に縁取られた瞳に私が映り込む。
耳に髪をかけられ、触れられる頰。
少なくとも私はほろ酔いで、いまいち頭が回らない。
この状況は、何!?
下唇が彼の親指で撫でられても動けない。
ただ見つめ返すことしか…
気のせいだろうか。彼の顔が近づいて……唇と唇が触れる。その瞬間…
「A」
突然名前を呼ばれて我に帰る。
そこには驚いた表情で佇むブローノの姿が…
「空気読めよ、ブチャラティ」
「見逃してやるほど人間できちゃあいない」
やっと離れてくれたプロシュートに安心する。
「何処かの誰かさんが仕事ばかりで、姫が退屈してたんでな。ディナーに行っただけだ」
「そうか。Aが世話になったな。もう帰っていいぞ」
何やら険悪な雰囲気だ。私のせいかしら…
「いや、今から部屋に上がってコーヒーをご馳走になるところだ」
そう言って私の肩を抱くプロシュート。
「コーヒーなら今度俺が淹れてやる。もういいと言うまでな」
次はブローノに腕を引っ張られ、彼の胸へ。
それを何往復かさせられて、ほろ酔いだった気分がだんだん……
「2人ともいい加減にして!! 気持ち悪くなっちゃったじゃない!! 」
私は素早く部屋の鍵を開けて中へ入り、鍵を閉めてやった。
「……閉め出されてやんの」
「……問題ない。スティッキィフィンガーズで入れる」
「スティッキィフィンガーズで入ってきたら、しばらく口聞かないから! 」
「…だとよ」
「………」
「ったく……俺は飲み直す。付き合え、ブチャラティ」
「……近くにいいBARがある」
正直ブローノには申し訳ないけど、あんな未遂現場を見られては……
プロシュートのバカ。
Fin
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りんどう(プロフ) - こちらこそ、嬉しいです!ありがとうございます。楽しんでいただけると嬉しいです、 (2019年3月8日 6時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
haka(プロフ) - お返事ありがとうございました!ずっと探していたのですが、私自身の設定がR非表示の設定になっていた為見つけれませんでしたm(_ _)m今日からまた楽しみが増えました!ありがとうございます! (2019年3月8日 6時) (レス) id: 2e2192d3ef (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - また分からなかったらコメント下さい! (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - 「この作者の作品を全表示」から見られないでしょうか?面白度評価の下の方にあらます。 (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
りんどう(プロフ) - コメントありがとうございます!長編はR18がつくのでリンクを貼れなくてすみません。 (2019年3月8日 2時) (レス) id: 33b492f363 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんどう | 作成日時:2019年1月31日 2時