君と私の120日 (ページ4)

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理由ページ4

その噂話を聞いたのは高校2年生の夏。

いつものように一人でお弁当を食べていたその後ろから聞こえてきた。

「ていうかさ、聞いた？二宮の話」

「あー、1組の高橋さん？」

「や！それがもう別れたらしいよ(笑)」

「は？！」

他愛もないいつも通りのコイバナ。

そんな風に聞き流していたけれど。

「え、だって付き合い出したの先週じゃなかった？！」

「他の女の子にちょっかいだしてるところ見ちゃって軽く注意したら"めんどくさい"って言われたらしくてさ、喧嘩して別れたって」

「二宮も相変わらずだねー！」

「それ聞いてさ、あたし言ったんだよね。
誰に告られてもいったん付き合うのやめなよって」

「そしたら？」

「なんで？面白いじゃんって」

「さいてー(笑)」

うん。最低。と心の中で相槌を打ったあの日。

何故かそんな噂話を今の今まで覚えていて、

こんなふうに役立つ日がくるとは思わなかった。

だから君に決めたの。

きっと君ならどんな可愛い女の子にだって本気にならないから、まして私なんて絶対にそう。

それならそれを使わせてもらおう。

私に恋人との日々を教えてくれるのはきっと君だけ。

私が告白したってきっと

いいよ

たったそれだけの一言で付き合ってくれて、

ありがとう

そう言ったらすぐに終わる。