【アイナナ】いきなりですが、拝ませてください。

panic30 お兄さんも2人の恋は面白そうなわけ。 ページ31

壮五side

「い、いいことってなんですか…？？」

僕はなにか裏がありそうな微笑みを浮かべる大和さんに震えながら言った。

｢なーに、簡単なことだよ…ほれ。｣

大和さんは僕に小さめの紙袋を手渡す。
中に入っていたのは、マスクと帽子と黒髪のウィッグだった。

「お前はシズが好きだし心配なんだろ？？
それでいてお兄さんも2人の恋は面白そうなわけ。
だったら至極簡単なこと、変装して跡をつけるんだよ。」

な、何を言い出すんだ。この人は。
いつもすかした顔をしてるのに、こんなことだけ面白いと思ってたのか…！
僕はうなだれながらもやはり彼女が心配なのでこの手に乗るほかないと思った。

「いやー、意外。まさかソウがこんな馬鹿げたことに乗ってくれると思ってなかったわ。
よっぽど、シズのことが好きなんだな〜。」

「彼女は僕にとって何も無かった世界にアイナナメンバーと共に希望を与えてくれた人ですから。」

僕が初めて出会った、偽りのない「好き」をくれた人だ。僕のことを嫌いにならないと言ってくれた人だ。

「お兄さん、2人のこと応援してるからな。
さてと、ショッピングモールに入ったな…さて、尾行本番開始だ。」

僕は背徳感を覚えながらも足を進めた。
2人がレストランに入ったので、僕達は2人の2個ほど後ろの席に座った。
平日なこともあってわりかし空いていたため、2人の話し声がよく聞こえる。

「や、大和さん…これは犯罪なのでは…？」

僕はいたたまれなくなって大和さんに小声で言う。

「大丈夫だよ、ソウ。…バレなきゃ犯罪じゃない。」

そ、そんなめちゃくちゃな…！！
そんな中、聞き間違えたかと思う言葉が僕の耳をすり抜けていく。

『私、壮五くんが好きになっちゃったの。
スキャンダル厳禁なアイドルに対してこれはいけないことだって分かってる。
だから私ね、寮母をやめて事務のみの仕事にしたい。』

嘘じゃないのか？？君はいなくなってしまうの…？？

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5000hit超え＆お気に入り30人突破ありがとうございます！！！
これを書き始めた頃はせいぜいいっても完結して3桁hitくらいで終わるんだろーな…なんて思ってたのに、執筆途中で5000hit越えするなんて…！！感無量てす！
なかなか、両思いのくせしてくっつかない2人ですが、2人がくっつくように頑張って書きたいと思います！
以上、作者でした！

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