【アイナナ】いきなりですが、拝ませてください。

panic29 誰かに奪われて欲しくない。 ページ30

壮五side

『任せて！！私が紡ちゃんを守ってみせる…！！』

Aちゃんはマネージャーと出かけるらしい。
出かける相手がマネージャーと知って、男性じゃなくて安心した自分はつくづくデートに誘う度胸もないのにわがままだな、なんて思った。

「Aちゃん、行く前に一つ良いかな？？マネージャーは未成年だし、10時を回るようだったら連絡を僕でいいから入れてくれるかな？
それに…君だって女の子なんだから…
あっ、長く引き止めてごめんね！行ってらっしゃい！！」

彼女のマネージャーを守る発言を聞いて、思わず口走ってしまった。
これじゃあ、まるでAちゃんの保護者だ。
けれど、彼女だって女の子だ。夜遅くにいつどこで乱暴されたりするかなんて分からない。
けれどもこれは、彼女の行動を制限してるみたいだ。
しかし、誰かに奪われて欲しくない。なんて願う僕のわがままが自制心をかき消す。

『あ、う、うん！行ってきます！』

彼女は少し戸惑いを浮かべて出ていった。
あー、やってしまった…
思わず玄関のドアが閉まったと同時に頭を抱える。

「なにしてんだ？ソウ…あっ、なるほど…
なぁ、ソウ…お兄さんとイイコトしないか…？」

大和さんはいたずらっ子のように彼女が出ていったドアを一瞥すると僕に言った。

panic30 お兄さんも2人の恋は面白そうなわけ。→←panic28 スタートラインにも立ってないじゃないですか…！

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