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お嬢様、悩み事ですか? ページ22

さびたドアを押し上けて、階段を駆け下りた。


曲がって死角に入っていくと、

私は気が抜けて壁にもたれてへたへたと

ずり落ちていった。


「…みんなに嘘、吐いちゃった…。」

まさかみんなに嘘を吐く日が来るなんて

思っても無かった。


嘘をつくのは嫌いだったから。


…私これからどうしよう。

勢いで皆から離れてきたけど…。


これで白坂先輩はどっか行ってくれるかな??


そしたら、私は遠くからみんなを

見守ってれば良いんだ。




「本当に短すぎる間だったなぁ。



…みんな、今までありがとう。

白坂先輩なんて気にせずにやって行けるし。


おめでとう。」



ポタッ


手に落ちた小さな雫は、自分のもので。


なんで泣いてるんだろう、可笑しいな。


自分でしょ?

逃げたのは。






4「おい、何泣いてんだよお嬢様。」


「た、たくや…。」


冷酷なその目は、優しくは見えなかった。

逆にすごい怒ってる。


4「探させやがって。

向こうの校舎まで探しに行ったのに。



隠れるなら遠く行けよ。

急にどっか行きやがって。」


「…。」


望んではなかった。それにたくやだし。

優しい言葉、かけてくれるかも、なんて。

少しは心配して欲しかった。



みんなの為に離れたなんて、嘘なのかもしれない。


「……きっとこれ、自分の為なのかな。」


4「…は?」




「私が皆から離れれば、白坂先輩が来ることも

防げるんじゃないかなって。

私がみんなに迷惑かけてるから、

って思ったんだけどね?



やっぱり私、自分のことしか考えてなかった。」


少し俯き気味にそう答えた。


「みんながみんなが、って私が言ってるのは、

全部自分の為なんだよきっと。


本当は、


白坂先輩のせいで自分とみんなが

離れるのが怖かった。


それなら離れられるよりも、

自分から逃げた方が楽でしょ?



あーもう、なんでこんなに性格悪いんだろう…。


皆に嘘までついて。

自分のことしか考えられなくて。」




最低だ、私。


そう言おうとした瞬間、



ふわりと、暖かいものに包まれた。

お嬢様、泣かないで下さい。→←お嬢様、離れないでください。



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作品ジャンル:恋愛
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あやぼーね(プロフ) - 作者さんと名前一緒でびっくりしました!ww (2017年10月31日 13時) (レス) id: f992cf83d3 (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - ノアさん» はい!!すけちゃん雑ですみません!まだコーイチsideがないので、ユーキsideはまだ先になりそうです、ごめんなさい! (2017年5月13日 15時) (レス) id: 1664064296 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 彩音さん» いっぱいリクエストありがとうございます!! (2017年4月17日 0時) (レス) id: d70e71fa7b (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - ノアさん» はい〜分かりました! (2017年4月16日 0時) (レス) id: 1664064296 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 彩音さん» 全然ないです!!なんでもいいです!!あと、いろんな話を挟んだ後でいいのでまたすけちゃん見たいです!!! (2017年4月15日 10時) (レス) id: d70e71fa7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩音@( ・(エ)・) | 作成日時:2017年4月1日 2時

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