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石段を1番上まで登っていくと高台になっていて、結構登ったからか人はそこまで居なかった。1個だけまだベンチが空いていたのでそこに座って買ったものを食べ始める。
黒尾『たこ焼き食う?』
『うん』
クロは爪楊枝でたこ焼きを1個取ると俺の口元まで運んでくれ、俺もそれを口を開けて待っていた。
黒尾『熱いから気をつけろよ』
たこ焼きを口に入れると買ってから時間が経っているのに中はまだ熱かった。焼きそばのパックを開けると、
黒尾『俺にもちょうだい』
そう言われたので、クロの口まで運んであげた。
黒尾『ん、美味い』
そんな感じでゆっくり食べていると花火が上がった。さっき買ったレモンソーダを飲みながら見上げているとカメラのシャッター音が聞こえた。音の方を見るとクロがケータイのカメラをこっちに向けていた。
ピッピッと聞こえてきてケータイの画面を向けられる。
黒尾『見て』
待受画面が俺の横顔になっていた。
『え、変えてよ』
黒尾『ヤダよ』
そう悪戯に笑ったクロ、仕返しにその顔を撮って俺もホーム画面をその顔にした。
黒尾『なんかバカップルみたいだな』
『だね』
そんな話をして笑いあった。しばらく花火を見ていると、この高台にも人が集まってきて、賑やかになってくる。
黒尾『A』
クロの方を見るとチョコバナナをこっちに向けていた。少し人目が気になったが1口食べた。周りを見るが、案外俺たちを見ている人はいなかったらしい。お腹も膨れてきて、りんご飴とイカ焼きが残ってしまった。
『お腹いっぱい』
黒尾『じゃあこれは研磨に持って行ってやるか』
『うん』
それからしばらく花火を見ていると、クロが俺に寄っかかってきて、肩同士が触れる。
『重いよ』
黒尾『嫌?』
『嫌じゃないけど、、、』
そんな会話をしながら花火を楽しんだ。
帰り、駅のホームはものすごく混んでいて、電車は1本後のにやっと乗れた。最寄り駅に着き、家まで向かう。
黒尾『なんか、まだ帰りたくないな』
『うん』
スマホを見ると9時半、両親から連絡が入っており見ると、帰りは終電になるらしい。
『、、、、あのさ』
黒尾『ん?』
『父さんと母さん、帰り遅くなるんだけど、、来る?』
クロの足が止まって、俺も立ち止まる。
黒尾『いいの?』
『うん、いいよ』
少し間が空いて、クロは俺の腕を掴むと早足で歩き出した。
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黒尾ファン - 全部読みました(出てるやつは)とてもいい作品でした。できれば女の子バージョンからもつっくってほしいです (3月26日 8時) (レス) @page16 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
なおき(プロフ) - 愛夢さん» ありがとうございます!頑張ります! (3月21日 13時) (レス) id: 6acd3e0e02 (このIDを非表示/違反報告)
愛夢(プロフ) - 萌えが止まらなくなるくらい好きです!こういう甘々系探してました!更新頑張って下さい!✨ (3月21日 1時) (レス) @page10 id: cea8a366e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝息 | 作成日時:2024年3月14日 10時