守るから。【花のち晴れ】 (ページ5)

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ありえないページ5

私の朝は子鳥のさえずりから始まる
なんて訳もなく、携帯に設定したアラームで起きる。

昨日は無駄に疲れた1日だったがその疲れはとれたみたいだ。
寝て疲れがとれるのだ、まだまだ若い証拠である。

昨日寝る前に何度も晴に連絡しようと思ったが結局できなかった。

憂鬱な気分で制服に着替える。

｢A様、おはようございます。ご朝食の準備が出来ております。｣

｢おはよう、わかった｣

私が小さい頃からお世話になっている執事の篠山にあいさつを返し、階段を降りる。

朝食を済ませ学校へ向かう準備を始めた。

(はあ、今日は何も無い1日だといいな)

｢篠山、準備できたから山本に伝えておいて｣

｢かしこまりました｣

これはお金持ちの特権というのか、普通車よりとても長い黒い車。

私1人しか乗らないのに広すぎる。

そんなことを考えていると山本が口を開いた。

｢A様、なにやら揉め事が起きているようですが、どうなさいますか？｣

｢え、揉め事？｣

｢はい、あちらを｣

そう、促された方を見れば英徳の女子生徒が1人、柄の悪そうな男の人3人に絡まれていた。

｢なに、あれ｣

周りには沢山の野次馬たち。
しかし誰ひとり助けようとはしていなかった。

こんな時こそ晴の出番ではないのではないか、
何をやっているのか。

晴の姿を探せばなにやら音ちゃんと話しているようで、

(ほんとこんな時にありえない)

私の体は自然に動いていた。