守るから。【花のち晴れ】 (ページ12)

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モヤモヤページ12

side晴

さっきからあいつに言われた言葉が頭をぐるぐる回っていて、
Aの顔がちらちら浮かんでくる。

『晴のそういうとこ、昔からすきだよ』

すきなんて言われたのは初めてではない。
幼馴染という関係で、小さい頃は毎日のように一緒にいた。

お風呂だって一緒に入っていたのだ。
小3で最後だが。

なのになぜなのだろうか。

最近そういうとこを言われるとまともに顔が見れなくなって思わず目を逸らしてしまう。

その前もそうだ。

『朝の、かっこよかった』

『ありがとう、勇気出してくれて』

何故だか胸がモヤモヤしてくる。

(なんなんだよ、気持ち悪い)

｢何ぼーっとしてんだよ｣

｢ああ、海斗｣

｢それが胸がモヤモヤして気持ちわりんだ、俺は病気になったのかもしれねえ｣

｢は？んなわけあるかよ｣

Aのことを考えないようにしても出てくる顔。
ほかのことに集中できないし、

今は江戸川音に脅されたなんてそんなのはどうでも良くなっていた。

｢なあ海斗、これはなんだ？あいつが俺から離れねえ｣

｢あいつって誰のこといってんだよ｣

｢A｣

｢あー、それは自分で気づいた方がいいかもな｣

｢んだよそれ｣

海斗には俺のこれがなんだか分かりきっているようで、

俺がこのモヤモヤの正体に気づくまでどのくらいかかるのだろうか。