twins

大切な人 ページ14

俺とAちゃんは、ママのお腹にいる時からずっと一緒で、男女の双子にしては顔も割と似てる方だった。



ただ、性格だけはあんまり似てなくて、人見知りで好奇心旺盛な俺とは違って、Aちゃんは笑顔が可愛いちょっとマイペースな女の子。



だけど、めちゃくちゃ我慢強くて弱音も吐かない子だったから、ママもちょっと心配してたみたい。



俺んちね、子供の頃に両親が離婚したんだけど、Aちゃんは我儘ひとつ言わない手のかからない子だったんだって。



俺の身体が弱かったこともあってママは俺に付きっきりだし、まだ幼い弟もいるからきっと、Aちゃんは周りに気を遣って自分がしっかりしなきゃって子供ながらに思ってたんだろうな。





そんなある日、大事件が起こった。



確か中学校に入ってすぐくらいの時だったと思う。
暗くなってもAちゃんが学校から帰って来なくて、もう家族みんな大パニックよ。



連絡もなしにこんな遅くまで帰らないなんてこと今までなかったから、誘拐されたんじゃないかとか、事故にあったんじゃないかとか良くないことばっかり頭に浮かんじゃって。



居ても立っても居られないから、俺も家を飛び出して思い当たる場所全部、手当たり次第走り回って探してたんだ。



そしたら…



「Aちゃん…？」

「…紫耀」



学校近くの公園のベンチに、1人ポツンと座ってるAちゃんを見つけた。



無事だってわかった瞬間、マジでめちゃくちゃ安心したのを覚えてる。

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