噂の平野くん。 (ページ9)

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『そうだ』

みんながいなくなった教室で平野くんの机が目に入る

プリントであふれかえってる…

机の前にかがんだところで廊下から足音が聞こえて、振りむくと優太

岸「あれ、Aまだ残ってたの」

『優太こそ…』

岸「俺は忘れ物とりに…平野の机整理してたんだ」

『うん、プリントの量がすごくて』

きれいに揃えたプリント類を机にしまっておく。

岸「…なんかAらしいな、みんな平野のこと近寄らねえのに」

『…平野くんみんなが思ってるほど悪い人じゃない気がして』

岸「そうか？……ま、俺はAのそうゆうこと良いと思うけど」

そっと優太の手がわたしの頭にのっかる

優太の手、いつも大きくて安心する

『優太、頭なでるの癖だよね昔から』

何気なく言った一言に優太が驚いたような目をする

岸「……Aにしかしねえし」

『ん？なんて？』

心なしかいつもより優太の顔が赤い気がした

岸「いや、なんでもない！久しぶりに一緒に帰るか！」

『うん！』

急いでバックをもって優太の隣へ行く

ずっと一緒にいたけど同じだった優太の視線は

いつのまにかわたしよりずっと大きくなっていた。

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