死んだと思ったら若返ってた上、３年後に来ちゃってた件について。２【名探偵コナン】

５２ ページ7

.









今回、歩美ちゃんが巻き込まれたのは最近巷を騒がせている通り魔事件。

佐藤刑事が歩美ちゃんに優しく問いかけていた。





私は、というと‥‥。









『‥‥』

「ん？大丈夫か嬢ちゃん」

『あ、は、はい』









上の空で子供たちに付き添っていた。

あまりの様子に航から声がかかったほどだ。






‥‥今、この瞬間も私は悩んでいる。

自分がどうすればいいのか、なんて。









「‥‥」









そんな私を、陣平が見ていたなんて知らずに。









.









.









.









その後、私たちはもう一度現場に戻ることになった。

佐藤刑事と陣平の付き添いの元、私は新一と陣平の車に乗り込む。

新一はなぜか私の方について行くと言って聞かなかった。









「ボウズも、佐藤の車がよかったんじゃねーの？」

「あはは〜。僕ねー、松田刑事が職を失わないように見張ってあげてるんだ〜！」

「‥‥クソガキ」

『？』









‥‥なぜに陣平が職を失う‥‥？






そう思っていると、陣平が私をちらりと見て笑った。









「んな辛気臭ぇ顔してんじゃねーよ」

『‥‥え？』

「何に悩んでんのか知らねぇけど、大人に相談するのもひとつの手じゃねーの？」









私は、目を見開いてしばらく陣平を見つめると、窓の外を向き直し、ボソリと呟くように話しだす。









『‥‥陣平さんに、大事な人がいたとします。

その人が、何かしらの犯罪を犯して、世界的に追われる身になったとする。






陣平さんは、その人をどうしますか？







許しがたい犯罪者として、警察に情報を明け渡しますか？

それとも、大切な人だからと、黙秘しますか？









‥‥陣平さんだったら、どちらを選びますか？』









陣平は、一瞬目を丸くすると、すぐに目を細めた。

優しげな光を灯して、私に問いかける。









「‥‥そいつはつまり。









大切な人だから、裏切りたくないけど、人としてそう思うことはどうなんだって話か？









‥‥それって」









お前が怖がってるだけじゃねぇの？


そう言って、陣平は私を見た。

５３→←５１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す