48 ページ3
.
夢を、見ていた。
昔、零たちと遊んでいた懐かしいあの公園に、私はいた。
目の前には、零がいて、光がいて。
他にも、たくさんの友達がいた。
「こっちに来いよ、A」
「早く遊ぼーぜー」
私は、その誘いに笑って頷く。
そして、走り出して零と光の腕をつかんだところで。
「あ?急にどうした、A」
「何々?今日は甘えたい気分なの?」
「お前にしちゃ珍しいな!」
いつの間にか、目の前には陣平、研二、航がいた。
私の手は、間違いなく陣平の腕を掴んでいて。
なんでもない、と離そうとして。
‥‥離したら、いけないような気がした。
離したら、みんな、どこかに消えてしまいそうな気がした。
『‥‥どこにも、いかない、よね?』
陣平たちは、何も言わなかった。
ただ、嗤って私の後ろを指差した。
振り向くと、そこには。
『‥‥‥ぁ』
鏡に映る、血だらけの私がいた。
途端に、たった今思い出したかのように頭痛が始まる。
荒く息を吐き出した。
旧友が、幼なじみが、みんなが、私をこぞって責め立てる。
「どこにもいかないなんて」
「自分が勝手に消えたくせに」
「今更のように現れて」
「どれだけの奴が迷惑してると思う?」
「お前は所詮、
「誰にもその胸の内を話せず」
「孤独なまま闘うのか」
「あぁ、なんて」
【哀れな女】
‥‥わかってる。わかってるよ。
私の存在は、この世界にとってはイレギュラー。
いきなり現れた突然変異。
‥‥それでも、望んでしまった。
もう一度、みんなのそばで笑いたいって。
また、いつかのように。
【一ノ瀬A】として笑えたら。
どんなに幸せかって。
『‥‥私は、』
ねぇ、誰か教えて。
私の価値はありますか?
『ど、して‥‥』
どうか、答えて。
私は。
『ここに、いるの』
存在していても、いいのですか?
.
.
.
「______【A】」
目を覚ました私が見たのは、深い翡翠の輝き。
1519人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ホノ☆(プロフ) - フローリアさん» ありがとうございます!!少しでも多くの方にそう言ってもらいたいので、そういうコメントはすごく嬉しいです!!本当にありがとうございます!! (2017年7月28日 23時) (レス) id: b619beff59 (このIDを非表示/違反報告)
ホノ☆(プロフ) - アメさん» ありがとうございます!!やっぱり言葉1つ1つを考えるのは大変ですが、そう言っていただけてすごく嬉しいです!! (2017年7月28日 23時) (レス) id: b619beff59 (このIDを非表示/違反報告)
フローリア - 初めまして!ホノ☆さんこの作品は名探偵コナンの中で一番大好きです!いつもホノ☆さんが更新してくれるのをいつも楽しみにしています。 (2017年7月28日 23時) (レス) id: bf28a6a1d3 (このIDを非表示/違反報告)
アメ - はじめまして!いつも楽しく読ましてもらってます。キャラ達も好きですが、ホノ☆さんの作るストーリーや文章が心にじーんときてすごく好きです!更新楽しみにしてます! (2017年7月26日 9時) (レス) id: c25dcfc478 (このIDを非表示/違反報告)
ホノ☆(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» ありがとうございます!!ようやく降谷さん出せました!! (2017年7月24日 17時) (レス) id: b619beff59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ