不思議猫は気ままに謳う【名探偵コナン】

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「高木、その資料での二人の傷はどうなってる？」

「あ、えと。妻の貴子さんは、背中を大きく切りつけられた後、心臓をぐさりと。

赤川氏は心臓を正面から一撃で、ですね」

「可笑しいとは思いませんか？

男性である赤川氏を一撃で仕留められる犯人が、なぜか貴子さんのときは一度しくじっている。

‥‥これは、片羽見さんの他に犯人がいるものと思われます」

「そ、それは誰なんだね！？」









コナンは、一度息を吸うと、どこか苦しそうな表情で告げた。









「貴子さんの背中を大きく切りつけたのは、片羽見さんです。

しかし、それにとどめを刺すようにして刺したのは









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赤川祐樹さん、彼自身です」

「何だって！？」









片羽見は、愕然としてそれを聞いていた。

コナンが推理を続ける。









「死亡推定時刻が二人揃っていたのはそのためです。

片羽見さんが貴子さんを殺したと思ったとき、彼は殺しきれてはいなかった。

あの時点で、まだ貴子さんは虫の息ながらも生きていたのです」

「で、では何で赤川氏は止めなんかを！？」









「片羽見さんを庇うためですよ」









「赤川氏は、何らかの形で片羽見氏が貴子さんを殺したと知ったが、貴子さんはまだ生きていた。

だから、赤川氏は強盗犯の仕業に仕立て上げ、貴子さんを殺害後、自身の胸に刃を突き立てたのです」









どうして、と片羽見がぼやいた。









「どうして祐樹が俺を庇う！？

俺はっ、あいつの妻を、貴子を殺しかけたんだぞ！？」

「‥‥わけをお話し願いますかな」









片羽見は、胸中を語りだした。

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