泣き虫ヒロイン【青葉城西】

泣き虫 １１ ページ12

片倉side




あーあ、めんどくさいことになっちゃった。




私は、目の前の女子３人を睨みつける。




「ねぇ、要件あるならさっさとしてくんない？早くAちゃんのとこ行きたいんだけど」

「本当に生意気！！」

「及川さんだけじゃなくて、広瀬さんにまで近づくなんて！！」




あぁ、なるほど。

この人たちは天使のAちゃんのそばにいる私が許せないわけか。

私は、ハッと笑うと、吐き捨てる。





「負け犬の遠吠えが聞こえるぅ⤴」

「むっかつく‥‥‥！！」




だってそうでしょ？

あなたたちはAちゃんに話しかけようともしない。

ただ、黙って遠くから眺めてるだけ。

話しかけようともしないあなたたちに文句を言う権利なんて、あると思う？




「私をAちゃんから引き離したいならAちゃんに言ったらどうです？」

「＿＿＿＿えぇ、勿論よ」

「！？」




そう言うと、不敵に笑って女の子が取り出したのは。






「今の会話、ぜーんぶ録音したから！！」

「なっ‥‥‥！！」






まずい。これをAちゃんに聞かれたら‥‥！！









『何してるの！？』









＿＿＿＿本当に、神様なんていないのかもしれない。









そのとき、運悪くそこを訪れたのは。





『百合、ちゃっ‥‥‥！大丈夫‥‥‥！？』

「A、ちゃん」




まぎれもなく、Aちゃん本人だった。

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