悪 女 の た し な み【第二幕】【青葉城西】

悲劇 ３７ ページ1

Aside




夜中の２時。私たちは高校に集合していた。




「遅いな、永田‥‥‥‥」




‥‥‥‥永田先輩を除いて。




「何やってんのかなぁ‥‥‥」




苛立ちを含んだ声で及川先輩がぼやく。

あーあ、せーんぱい。

貴女の残りの唯一の王子様も、呆れてますよ？




すると、向こうから焦って走ってくる永田先輩が来た。




「すみませぇん！寝坊しちゃいましたぁ！」

「美優ちゃん‥‥‥俺、昨夜２時前には着いといてねって言ったよね？」

「で、でもぉ、こんな時間に起きたことないしぃ」




少し涙目で訴える永田先輩。

それじゃあ、ただ及川先輩の苛立ちを増幅させるだけですよ？




「‥‥‥‥まあいいや。はーい、バスに乗ってー！席は自由でいいからねー！」

「あ、及川先輩。隣に座ってもいいですかぁ？」

「っえ」




及川先輩が複雑そうな顔になる。

それもそう。さっきから苛立つことしかしてこない人と、どうして一緒に座りたいと思うんだろう。

そこで、はじめ先輩が助け舟を出した。




「おい、及川。お前、一番後ろで寝てろ。昨夜もほとんど寝てねぇだろ」

「‥‥‥！うん、そうしようかな！ごめんね美優ちゃん」

「‥‥‥‥はぁい」




悔しそうに下を向いてる永田先輩。

残念でしたねぇ？




「A、隣、いい？」

『うん、いいよ。英』




だから、そーんな怖い顔で睨まないでくださいよ。

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