58話 ページ9
視界を開放され、今はひたすらに走った
太陽が出ていなくてよかった、もし強い日差しに当てられれば目を開けることすら出来なかっただろう
まだチカチカと眩しさを感じながらも、今のAは難なく走ることができる
今までつけていた目隠しを握りしめながら、木の根や岩も次々と飛び越えて、以前より格段にスピードが上がっていた
かなりの距離まで走った時、背後から破壊音が響いた
貴「！！」
すぐに足を止めて音の方へ向くと、黒い煙がもくもくと上がっていた
その煙を呆然と見つめ、複数人に一人で迎え撃つレイリーのことが頭に浮かんだ
一体…何をしてるんだ私は…
貴「何逃げてるんだ…海賊から逃げてどうする！」
助けられるままじゃダメだ、守られるだけじゃダメだ、私は戦うためにここにいるんじゃないのか
私は…クザンと並ぶために強くなるんじゃないのか！！
ダッ！！
地面を強く蹴り上げ、Aはレイリーの元へ走った
息は切れるどころかむしろどこか落ち着いていて、意識が辺り一体まで広がった
貴「見える…3人、こっちに来る」
向こうから逃げてきたのか、慌てた様子なのが伺える
ギリギリまで気配を押し殺し、小さく呼吸を整えた
一人は剣、もう一人は長物…一番大柄な人は武器なし
狙うは…リーチの長い長物から！
「うおっ！？テメェどっから、ぐあっ！！！」
茂みから飛び出し、相手の顔面を蹴り上げる
手放した長物を奪い、もう１発顎に打ち上げて気絶させる
「な、なぜここに海兵がいやがる！！」
貴「安心してください、鉢合わせたのは偶然ですっ」
「テメェ！！」
大柄な方が殴りかかってくるが、意思より先に体が動く
2人がかりで同時に攻撃されても、攻撃は当たるどころかカウンターを喰らう始末だった
「あたらねぇ！どうなってんだこの女！」
「さっさと殺せ！何してやが、うぐぁっ！！」
油断した先に回し蹴りを入れ、長物で剣を打ち落とす
そのまま遠くに蹴り飛ばし、とどめの一撃を腹に打ち込んだ
「こ、このクソ女ぁ！！」
残った男が焦りで乱れた拳を打ち付けるが、すぐさましゃがみ込み、長物で勢いよく相手の股間部を打ち付けた
「ゔぅっ…て、テメェ…卑怯…だぞ」
貴「すみません…流石に私もレイリーさんにこんな攻撃は出来ませんが、勝つためには致し方ないんです」
プルプルと子犬のように震え上がり、大事そうに股間部を抑える男に、Aはもう一度謝罪した
貴「これで最後です、本当にすみません」
ゴツンッ！！
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アンコ(プロフ) - おもろすぎるだろ (5月1日 0時) (
レス) @page12 id: c83f1d8e6a (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ - もぅ更新しない感じですか？いつでもいいので更新楽しみにしています！続きがすごく気になります (3月26日 20時) (レス) @page12 id: 93f171a8d6 (このIDを非表示/違反報告)
リンリ - めちゃくちゃ面白いです😆レイリーさんカッコいいです！ 更新楽しみにしてます🎵 (10月22日 9時) (レス) @page12 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - いつでもいいので更新待ってます！この作品が好きです！ (2023年3月31日 1時) (レス) id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
みんちょこ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！更新頑張ってください！！！ (2022年12月24日 8時) (レス) @page12 id: 287db42d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きぐっち | 作成日時：2022年6月22日 14時
