54話 ページ5
結局会話は全くもって成立せずに終わった
自分の中では5分も滝に打たれた事が奇跡なくらいだった
体の芯まで冷えて動けずにいるAの隣でピンピンとしているレイリーは、慣れた手つきで火を焚いて魚を焼いていた
貴「……レイリーさんは化け物ですか？」
レ「ハッハッハ、この海じゃ化け物なんて呆れるほどいるもんさ」
否定はしないんですね…
焚かれた火に手をかざしていると、日差しの柔らかさに気づいた
もう夕暮れか、今朝のこともあり今日は余計に時間を早く感じるなぁ
無人島訓練3日目…早くも夜を迎えるとは…
明日でやっと折り返し地点なのだが、ガープさんの迎えの気配は全くない…それもそうか、1週間って言ってたし…まさかあの人が忘れる訳ないしね
本当に忘れられたとは露知らず、Aは見えない空を仰ぐのだった
貴「クザン…今頃どーしてるかなぁ…」
レ「私の前で他の男を考えるとは、君も随分私に慣れてきたね」
隣に来たレイリーは、焼けた魚をAに手渡した
貴「…流石にずっと気を引き締めるのは疲れるんです」
正直に言えばかなり慣れてしまっている、こうして海賊から与えられる食事を頼りにしてしまうほどに
貴「いただきます…」
レ「待ちなさい」
レイリーの声に動きを止めると、髪から耳にかけて指をなぞられる
貴「！」
レ「…髪が邪魔そうだ」
一本一本丁寧に耳にかけていくレイリーの親切心には、流石に抵抗出来ずに大人しくされるがままになっていたが
レ「………」
貴「…あの、まだですか？」
レ「もう少し」
額から耳へ、首元の髪をうなじの方へ
やたら丁寧に髪を流すなと思っていると、少し間をおいて、唇に何かが触れた
貴「…っ！！？」
レ「フフ、安心しなさい、指だよ」
貴「ゆ、指でもダメです！！」
慌ててレイリーから距離をとり、触れられることのないよう手で唇を覆った
ダメだ…完全に油断しているっ
己の甘さを噛み締めながらも、一体何をするつもりだと言うようにレイリーの方へ向く
レ「A…私からひとつだけ、君に頼みがある」
貴「！…なんですか、そんな改まって」
予想外の返しに戸惑った、彼から頼まれるのなんて初めての事だからだ
レイリーはAの手を取り、指で愛おしそうに撫でた
レ「何でもいい…この訓練が終わる時、君の何かを私にくれないか？」
貴「え？」
レ「君に手出しはしない、だが正直に言えば…このまま海軍へ帰してしまうのが気に入らない…」
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アンコ(プロフ) - おもろすぎるだろ (5月1日 0時) (
レス) @page12 id: c83f1d8e6a (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ - もぅ更新しない感じですか？いつでもいいので更新楽しみにしています！続きがすごく気になります (3月26日 20時) (レス) @page12 id: 93f171a8d6 (このIDを非表示/違反報告)
リンリ - めちゃくちゃ面白いです😆レイリーさんカッコいいです！ 更新楽しみにしてます🎵 (10月22日 9時) (レス) @page12 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - いつでもいいので更新待ってます！この作品が好きです！ (2023年3月31日 1時) (レス) id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
みんちょこ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！更新頑張ってください！！！ (2022年12月24日 8時) (レス) @page12 id: 287db42d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きぐっち | 作成日時：2022年6月22日 14時
