【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ9)

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▽第九話▲(フジside) ページ9

「だってさぁ…優、ノアと付き合ってから1回も"好き"っていってくれないじゃん?そりゃあ、ノアだって不安になるよぉ…」

だから、ノアは監視することにしたんだぁ。

ノアはいつもと変わらない表情で言った。

それがどうしようもなく怖かった。

「優は、誰が好きなの???ノア???それとも、ユキちゃん???」

ノアの眼光が鋭くなる。

まるで、獲物を見つけた時のような。

逃がさないよ。とでも言うような冷たい、暗い視線が突き刺さってくるのがわかる。

「俺、は…」

俺が今この状態で、彼女の事を好きだと言って、彼女は困らないだろうか。

「…ユキが好きだよ…」

それでも何故か偽ることはできなかった。今、この瞬間だけは。

「あっはははは。あはははははっ!!!!やぁっぱりぃ??じゃあ、ノアはここで優をコロさなきゃなぁ…」

そう狂ったように笑うノアの右手には、陽の光を浴びて鈍く光る、ナイフ。

「死んで。死んで死んで死んで死んで死んで死んでっ!!!!」

めちゃくちゃにナイフを振り回すノア。

慌ててよけるも、彼女の目にはもう光がない。
きっと俺にナイフを突き立てるまで、彼女は止まらない。

もう潔く刺されてしまおうか。

そう考えたとき。

ｶｷﾝｯ
小さな金属音が聞こえてノアの手からナイフが弾かれた。

「ゆ…き…」

「今、ユウが私の名前呼んだ。なら私は盾になるよ」

ユキの右手には木刀。

武闘をやっていたユキは舞い踊るように俺のことを守ってくれた。

そのかいもあり、誰も怪我することなく、ノアは先生達に素行が見つかり退学となった。

それからしばらくしてユキとキヨが付き合い始めたとき、俺は笑ってアイツらを祝福できてたと信じたい。

それからまもなく、高校に入学した俺はユキにそっくりな女の子を見つけた。