【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ7)

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▽第七話▲(フジside) ページ7

「…ねぇ、優。ノアと付き合うのやめた方がいいよ」

ノアと付き合い始めて約2ヶ月が経った。

キヨ達とは少しずつ疎遠になり、同じクラスのヒラでさえも話さなくなった。

そんなある日ユキがそう俺に告げた。

「…なんでそれ俺に言うわけ」

「優はわかってないよ!!裏でノアが何言ってるか…!!」

私聞いちゃったんだから…!!と必死に伝えてくるユキにどうしようもなくイラついた。

今まで散々上げて落としておいて、またあげんのかよ。

「なんでユキに言われなきゃなんねぇんだよ!!ノアのこと何も知らないくせにっ!!」

思わず出た言葉。

心配してくれたんだろうけれど、いつもなら嬉しいそれが、今日に限ってなぜか鬱陶しかった。

俺の言葉を聞いてユキの視線が鋭くなる。

「…まぁ、彼女のこと言われたら気分悪くなるだろうけど、2ヶ月そこらの付き合いのアイツと、生まれた時からの付き合いの私達どっちを信じるわけ」

「…ノアには、俺しかいないから…」

俺の言葉にユキは鼻ではぁ?と笑った。

「違うでしょ。何言ってんのノアに優しかいないんじゃなくて、【今の優には】ノアしかいないんでしょ。なにノアのせいにしてんの」

まぁ、どうなっても知らないから。

とユキは去っていった。

去り際に
「じゃあね。"フジくん"」
と、まるで他人になってしまったかのような口ぶりで別れを告げてから。

俺の周りは急激に変化した。

キヨ達にも避けられるようになり…ーーいや違うか、キヨ達を避けるようになり。

四六時中ノアと一緒にいるようになった。

「ねぇ、優…?」

ノアの変化に気づいたのはそれからのことだった。

「"昨日の夜、誰とパソコンでゲームしてたの?"」

「…え…?」

ノアはゲーム等の類が苦手らしく、ノアとゲームの話をしたことはなかった。

だから、昨日の夜もパソコンゲームをすることをノアには伝えていなかった。

それなのに、どうして知っているんだろう…

「ねぇっ!!誰なの!?昨日も、一昨日もユキちゃんのことか、清川くんたちのことかゲームのことしか考えてないんでしょう!?優の妄想を絵にしてるのも知ってるんだから!!!」

ｶｧｯと顔が赤くなる。

どうして知ってるの。音にはならなかったけど彼女には表情で伝わったようだ。

ノアは、あ、気づいた…??とでもいうように綺麗に口元を歪めた。

そんな笑顔に背筋が凍るかと思った。

どうして、俺は気付けなかったんだろう。

ユキの忠告を無視したんだろう。