【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ6)

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▼第六話△(フジside) ページ6

昔から、ずっと好きだった。

幼馴染みのユキのことが。

「ねぇ、優聞いてる!?」

「えっ。ああ、聞いてるよ?なに??」

中3の時に初めて出来た彼女は、どこかユキに似てる。

「おお??ユウじゃーん。あと、えーと、乃彩、さん?だよ、ね?」

「こんにちわっユキさん。だよね!!優からいつもお話聞いてるよー!!それでさぁ…」

ノアはユキにｽﾞｲｯと顔を近づけると聞いたことのないような低い声で

「優のことを名前で呼ぶのやめてもらえるかなぁ??」

と笑って言った。

「あぁ、ね。ごめん。じゃあ、ふじで!!」

「うんっ!!それならいーよっ!!」

さっきの冷たい笑みとは真逆の屈託のない笑顔を浮かべてノアは嬉しそうに言った。

「ユキー!!帰ろうぜー!!」

「リア充はおいて帰ろー」

「家帰ってキヨん家でゲームしようぜ!!」
「するするするー!!!」

じゃあねー！と手を振って3人のもとに駆けていくユキを見て、素直にずるいなって思った。

俺もゲームしたい。
ユキと、キヨ達と遊びたい。

「じゃあ、ノアたちはデートしよっかぁ!!」

腕にまとわりつく女。

初めてめんどくさいって思った。

別に俺から告白したわけじゃない。

だから振るのはいつでも構わないと思う。
けど。

「(どうせ俺がいなくても、仲良くするんだろうな)」

それに、彼女は俺といるよりもキヨ達といる方が幸せだろうから。

だったら、彼女の代わりだとしてもコイツといる方がいい。

そこでそう思ってしまったのが、すべての原因なのかもしれない。