【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ4)

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▼第四話△ ページ4

季節は巡り、高校二年生になった。

梅雨に入り、朝からずっと雨が降っていた日のこと。彼女の中で俺が初めて認識された。

キヨとユキは相変わらず仲良くて、付き合って1年と半年になろうとしていた。

「だからっ!!!アイツとはなんもないって言ってるべや!!!」

「その言い方が信じられないって言ってるの!!!なんでそんな隠そうとすんのよ!!!隠すってことは疚しいことがあるってことだべっ!!!」

「ま、まぁまぁ、二人とも落ち着いて…」

「「フジは黙ってて!!!」」

んだけど…

『ユキちゃんたち、何が原因で喧嘩してるんですかね…』

「ごめん、俺もわかんねぇ」

「なんか昨日キヨが女の子と歩いてたらしいんだ」

『なんで優くん知ってるの』

「ユキに聞いた」

『…最近、優くんユキちゃんのことばっか…』

俺と彼女のあいだにはこーすけと、フジ。

この距離が、ちょうどいいのかもしれない。

名前も呼ばれないそんな関係が。

「嘘つき!!!陽太のバカ!!!もう知らないっ!!!」

「ユキっ!!!」

…いや待てお前らこの数分で何があった。

ﾊﾞﾝｯとドアをあけて教室から出ていくユキ。

『ユキちゃんっ!!!』

ユキを追いかけようとする涼宮さん。

そんな涼宮さんを止めてユキを追いかけて外に出ていったのはフジ。

「Aはここにいて。俺追いかけてくる」

『優くんっ!!!』

どうして…彼女はつぶやいた。

いや、俺がいった方が良かったんじゃね←

「あれ、涼宮帰んの??」

『こーすけくん、うん。優くんいないし、帰ろうかな』

寂しそうに笑っていう彼女は今にも消えてしまいそうな気がした。

「ごめんな。送ってやりたいんだけどコイツ放っておけねぇからさ」

『大丈夫だよ。そこまでひ弱な可憐な女の子じゃないからさ』

「…ごめん。こーすけも、涼宮さんも」

『気にしなくていいよ。清川くんは、早くユキちゃんと仲直りして、あげて』

そう言って彼女は教室を出ていった。

「…こーすけ。俺、涼宮さん送ってくる」

「ああっ!!!ヒラがいたじゃん!!!」

…お前ら俺の存在忘れてたのかよ。

「ヒラが喋らねぇのがいけねぇんじゃ…?」

いや、まぁ、そうなんだけども。

とりあえず行ってくるね。なんかあったら連絡して。

とこーすけと、キヨに言ってから教室を出た。

少し前を歩く華奢な背。

それ明らかに昇降口でなく、屋上へと向かっていた。