【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ19)

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▽第十九話▲ ページ19

そして、待ちに待ってもいないけれど、晴天の元で行われる体育祭。

「やべぇ!!ヒラ俺達負けてるよ!?しかもユキのクラスに!!」

隣でフジがぎゃーぎゃー騒いでいるがそれもそれでしょうがない。

「いや、天月さんとun:cさんがいるクラスには勝てないっしょ…」

学年運動神経1位と2位のいるクラスに、運動音痴のユキがいたとしても大したハンデにはならない。

それどころか、小柄な体と持ち前の平衡感覚を発揮して、ユキは障害物競争1位だったのだ。

それよりも。Aちゃんの活躍には思わず見惚れてしまった。

徒競走も、大縄跳びも、障害物競争も2位と圧倒的な差をつけて1位。

お淑やかそうに見える彼女の新しい1面が見れた気がして嬉しくなったが、それについて話すことが出来なくなったことが、何よりも悲しかった。

『あまちゅ速すぎだし』

「いやいや、Aも人のこと言えないし』

『あまちゅ明日スポッチャ行こ』

「いいけど、2人???」

『どっちでも良き』

楽しそうに会話をしながら俺の前を通り過ぎていく天月さんと、Aちゃん。

そこで始まった。

《遊戯学園体育祭、高等部第二学年恒例種目!!!!!!!借り物競争ー!!》

ぱちぱち。と疎らな拍手が起こるあたり、俺らの学年にやる気のある人はほぼいない。

それとそうだ。借りるものが、普通から考えるとありえないものばかりなのだから。

《第三レース!!第一コーナー 1組清川蒼!!第二コーナー 3組藤澤優!! 第三コーナー 5組芦田浩介!! 第四コーナー 7組天宮月斗!!》

「やべぇ、俺恵まれなさ過ぎて帰りてぇ」

行ってらっしゃい。とフジを見送ってレースを見守る。

先頭を切ったのは紛れもなく、天月さんだ。

《第一関門順位は1位天宮 2位清川 3位芦田 4位藤澤です！フジくんがんばやで!!》

このウザイ鼻声は放送委員のレトさんだろう。
フジ頑張れー。と紙を開いて固まったフジに声をかける。

《おお?あたりを引いたのはこーすけっぽいで。では順位順におだいを発表しましょう。
天宮のおだいは【ポニーテールの女の子がつけている黄色いシュシュ】なんやこれムズすぎやろ。清川のおだいは【パジャマ着てる人】…もう諦めてお家に帰りぃや…で、当たりを引いたこーすけのおだいは【ろり】…ぴったりやんこれ!!!!!!!んで、藤澤のがー【どえむの人】…もう自分連れてったれや』