【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ17)

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▽第十七話▲ ページ17

ﾕｷ【ひらー???】21:30

ﾕｷ【ひーらさーん???】21:47

ﾕｷ【かずと???】21:46

ﾕｷ【ねてる???】21:46

ﾕｷ【かんこれなう???】21:52

ﾕｷ【まさか寝たとか???】21:55

ﾕｷ【ないか】21:55

ﾕｷ【んー…ごめん荒らして】22:07

やばい。直感的にそう思った。

こうやって小分けで送ってくる時は、ユキが相当精神的に参ってる時だから。

急いで電話をかける。

「もしもしっ!?ユキ!?」

「…遅い」

「ごめん」

ん…と呟いたユキの声はいつもの凛とした声ではなく。

「…俺が帰った後、なにがあった」

「…キヨ…にっ…別れようって…言われちゃって…それで…ｯ」

フジにキスされた。

ごめん。誰に頼ったらいいか、わからなくて。

ユキは震えた声で必死に言葉を紡いでいた。

ユキが何かあった時、例えばお母さんと喧嘩した時も、学校でいじめられていた時も、そばで支えていたのは誰でもない、フジだったから。

兄のような、親友のようなフジに告白されたことはまだしも、キスまでされるとは思わなかったんだろう。

もともとユキは心の防波堤的なものは決して強いほうではない。

基本的情緒不安定だし、いきなり病むことだって少なくはない。

それでも彼女のことを突き放せることが出来ないのは、小さい頃から共に育った兄妹のようなものだから。

だから、どうにかしたいと思ったんだ。

だから気づけなかったなんて、言い訳かな。

A【…少しだけ、声聞くこと、できますか???】22:28

「…俺の家、くる???」

「…いく」

「わかった、玄関の鍵開けて待ってる」

「ごめん」

しばらくしてユキが来て、何時間かゲームをしてから寝た。

ユキは姉貴の部屋でだけど。

AちゃんのLineに気づいたのは、朝起きてからのことだった。

7:26【ごめん今気づいた。ユキがうちに来てて。大丈夫だった???】

A【大丈夫】7:38