【最終兵器俺達】涙色の空の下で君と出逢った僕は。【ヒラ】 (ページ12)

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▼第十二話△ ページ12

「…ユウ、他に好きな子がいるのに、Aと付き合ってるの??」

聞いたことのないようなユキの低い声に、何故か関係の無い俺まで体がビクッとする。

「…最低」

その言葉にフジはｸｼｬｯと顔を歪めた。

「…ユキには…何もわからないだろうけど。こうするしかなかったんだよ…」

「こうするしかなかったって、どういうこと??」

悪いけど今は。今だけはフジの肩を持とうと思う。

「…言えないから。気持ちを伝えちゃいけないから…俺は…」

フジの小さな声に俺の手の力も緩まる。

ユキはケータイを取り出すと、どこかに電話をかけ始めた。

「…もしもし、こーちゃん??よーた、そこにいる??…じゃあ、15分後に、私の家」

ユキが電話を切るのと同じタイミングで、通知の来た携帯を見て目を見開いたフジ。

「…A…ちゃん、ごめん。ヒラ、ちょっと電話してくる」

ユキに先に家に入ることに承諾を得て、ユキの家へと入って行ったフジを見て、ユキは小さくため息をついた。

「…気づかないふりは、良くなかったかな」

それでも、ユウはユウだ。大切な、幼馴染。

と、ユキは悔しそうに拳を握りしめていた。

「最低だと、思う??」

「…そんなことないと思うよ。守りたかったんでしょう??フジとユキの関係も、フジとキヨの関係も」

だから、大丈夫。

その言葉にユキは泣きそうな顔のまま、早くキヨと仲直りしなきゃ。と笑った。

「…もし、フジとAが別れたら、ヒラがAのこと幸せにしてあげてね」

「…はっ!?」

気づいてないとでも思ったの??とユキは笑う。

「それこそ気づかないふりしてよ…」

そんな俺の嘆きにユキはまた、彼女に似た笑顔で笑った。