lyric.31 ページ34
泊めてもらうとかそういうのは全部忘れて、ただただ絵に夢中になる。
散らばっている中途半端に描かれた絵は、Aの目にまるで宝石のように写る。
キラキラ輝いているようだ。
純粋に気になって、「ねぇ乱数、これ作らないの?」と聞く。
少し顔をピクっと動かせると、乱数は散らばっている紙を集めながら話し始めた。
乱「まぁ…これは僕のブランドっぽくないからね。」
「っぽくない…?だって乱数のブランドなんでしょ?」
乱「そりゃね。でもそれを買ってくれるのは、あくまでお客様。で、どんな服を作ってって言うのは上の人達。」
「……それじゃ、乱数のブランドじゃないじゃん。」
単純に思ったことを言う。
キョトンとした顔をしていたのか、「…Aちゃんアホみたいな顔してる。」と笑われた。
ちょっとムッとして、「何よ。レディはもっと丁寧に扱うもんでしょ?」と言い返す。
乱数は、そんなAをクスッと笑うと、いつもの可愛い笑顔ではなく大人っぽい微笑みで返す。
乱「まだミセーネンのAちゃんには分かんなくて仕方ないよ。
何せ華の高校生!青いねぇ〜!」
「むっ、また馬鹿にしたな。」
乱「あはは、ごめんごめん。そうだなぁ…なんて言ったらいいのかな。」
「?何が?」
乱「…まぁ色々訳すとぉ、Aちゃんみたいにマジな僕のデザインを可愛いって言ってくれる人が僕はだーいすきって事!」
「はァ?何それ。」
乱「いーのいーの。それより、その服気に入ったなら作ってあげる。」
「え、ホント?!」
乱「ホント♡」
見つけてくれる人は、本当のデザインを見つけてくれる。
可愛いと言ってくれる。
そんな彼女が、どうしようもなく愛おしい。
.
696人がお気に入り
「ヒプノシスマイク」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ - とても面白いかったです。頑張ってください。 (2018年6月15日 20時) (レス) id: d336b49e8b (このIDを非表示/違反報告)
蒼綟(プロフ) - 初めまして!作品が好きで、いつも見ています!これからも頑張ってください!そして、もし意図的なものならすみません、8話?かな?12任という所は12人ですか…?意図的なものだったら、本当にすみません! (2018年5月31日 22時) (レス) id: 9722960a7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ