ただの同期【HN】 ページ15
.
暫くして
HN「A、」
フィリックスと飲み屋街を、二手に分かれて探していると、男に支えられたAが目の前に現れた。
…良かった。こっち側をヨンボクが探してなくて。
『ジソ、ン？』
「彼氏？」
『ちがう。幼なじみ。』
「…え、と、こんばんは…？」
目の前のイケメンをじっくり見ていると、戸惑ったように挨拶される。俺にAを任していいのか、迷っているようだ。
HN「こいつの彼氏に任されて迎えに来たんだ。ここまでありがとう。」
半ば強引に彼の手からAを奪うと、彼は人が良さそうに笑った。Aから嗅いだことの無い匂いがする。
「あ、これ、Aさんが外したアクセサリー達…。婚約指輪まで外しちゃう癖は、直させた方がいいと思いますよ。」
なんでお前が持ってる。
顔を顰めるが、気にとめず彼は俺に近づいて、ネックレスと指輪を俺の手に握らせる。その瞬間、先程Aから香った匂いが、鼻をかすめる。
……こいつだ。
Aの酔った時の癖まで知っていて、そのアクセサリーを無くしがちだから、自分が持ってた方がいいってことまで知っていて、…そんなの、Aのことをよく見てないと知らないはず。
HN「…お前、Aのなに」
「そんな、そんなそんな、ただの同期です！」
焦るように手を小さく振って、否定する彼。顔が良すぎるせいか、なんとなく彼の言葉を信じきれない。
それより、早くフィリックスに連絡しないと。
HN「じゃ、お疲れ様」
「は、はい。よろしくお願いします。」
彼の匂いを纏ったA。眠たそうにとぼとぼ歩くから、危なっかしくて、手を掴んでないといけないのに、その匂いのせいでイライラが増す。
ちょっとこれは、事情聴取だ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白かったです🎶 (2023年4月16日 3時) (
レス) @page27 id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
にわとりのたまご。(プロフ) - 完結おめでとうございます！すっごい面白くてずっと読んでました。執筆お疲れ様でした。 (2023年4月11日 20時) (レス) @page27 id: 59ab679e40 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 完結おめでとうございます。そこにおちる、はそういう結末を示唆していたんですね。全員が楽しそうに過ごせているみたいで心から安心しました。執筆ありがとうございました！ (2023年4月11日 18時) (レス) @page27 id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ジェヒョク…なんでやつだよ…、ピリちゃんと幸せになりますように… (2023年2月23日 11時) (レス) @page18 id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みやび | 作成日時：2023年2月1日 23時
