検索窓
今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:36,791 hit

メンチカツ【HN】 ページ12

.



昼前にAの家に帰る。
玄関を入って声をかけても、返事はかえって来ない。


HN「Aー?ジョンイナー?」


奥のベットが膨らみを保っているのが見える。
…嘘だろ。

無駄に心拍数が上がる。
ただ寝てるだけだろ、そこに何の疚しさがあるんだよ。やめろ、思春期かよ。と自分に言い聞かせる。


近づくと、2人の寝息が聞こえる。目も…閉じている。
良かった、

HN「じゃないよ。全然良くない。起きろイエナ。」



幼なじみと言えども、男と女。相手は人妻だぞ。
ふわふわとした髪の毛が生えた頭を思い切り叩く。


IN「いだ…」

HN「今すぐ布団出ろ。罪悪感で死にたくなければ。」


フィリックスはあまり、Aに近づくことをよく思わないくせに、声には出さない。嫌そうにするだけ。
それが、俺たちの罪悪感を膨らませるだけ膨らませ、自制心を強固にする。


IN「…変に2回寝たから頭痛い」

HN「天罰だよ」



帰りに買ってきた惣菜で、3人分の昼飯を作れば、匂いにつられてAが起きてくる。


HN「おはよう。ねぼすけ」

『ん…帰ってくるの早かったね』


席についていただきます、と丁寧に手を合わせて、食べ始めるA。アイエンは先に食べていたくせに、Aがいただきますと言ったことで、口にご飯を含めながら、いただきますと俺に向かって言った。


HN「一応、2人に言っとくけど、一緒に布団で寝るのはやめましょう。」

『おかあさーん、ジョンイナが無理やり入ってきましたー』

IN「ほんとに嫌なら1回で折れんなよ」

HN「…ジョンイナが悪い。」

『やったー』


ジョンイナが、えー?また俺ー?とふてくされる。なにがどうあれ、布団に入ろうとしたやつが悪い。


HN「Aも、フィリックスと婚約した事をもっと自覚しなさい。」

『ネー、ミアネオンマー、』


はあ、世話が焼ける弟と妹だ、とため息をつく。
一体フィリックスは、俺たちのことをどこまで許してくれるんだろう。いつか追い出される日を危惧して、俺は少し冷めたメンチカツをひと口食べた。



.

レモンサワー→←おやすみ【IN】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (107 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
284人がお気に入り
設定タグ:Straykids , skz , スキズ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にこ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです🎶 (2023年4月16日 3時) (レス) @page27 id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
にわとりのたまご。(プロフ) - 完結おめでとうございます!すっごい面白くてずっと読んでました。執筆お疲れ様でした。 (2023年4月11日 20時) (レス) @page27 id: 59ab679e40 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 完結おめでとうございます。そこにおちる、はそういう結末を示唆していたんですね。全員が楽しそうに過ごせているみたいで心から安心しました。執筆ありがとうございました! (2023年4月11日 18時) (レス) @page27 id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ジェヒョク…なんでやつだよ…、ピリちゃんと幸せになりますように… (2023年2月23日 11時) (レス) @page18 id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みやび | 作成日時:2023年2月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。