あなたの名前は、 【呪術廻戦】

歪みある恋 ページ16

誰 か 私 を 助 け て く だ さ い 。



「Aちゃん絶対恋してるでしょ！！」

「男子には言わないので教えて下さい！」

「相手は⁉相手は誰なのAさん！！」


寮にある大浴場に久々に女子全員で入りに来たのだが、

どうしてか話題が恋バナに発展して、私だけ集中砲火を受けている。

因みに発言の順は桃、霞、真依。


『だから、特にいないって...』

「涼しい顔してサラッと嘘つかない！」

女はそういうの分かるんだからね！と頰をぷっくり膨らませて言う桃


「で、誰⁉年齢は、見た目は、性格は⁉」

Aさんから特別な愛情を貰えるなんて、羨ましいにも程がある...！

歯ぎしりして悔しいような恨めしいような顔をする真依

思いっきり声に出てるよ

この子はちょっと私にべったりしすぎじゃないかな…


「ハッ...！」

突然名推理したような顔をする霞

「まさか、東京校の誰かですか⁉」

東京行ってから様子が変わりましたし！と添える


「いや、Aちゃんに限って一目惚れはないでしょ」

けど、桃がそれを間髪入れずに否定する

『んー、確かに人の見た目に惹かれる事はあんまないかな』

「えぇ〜結構良い線じゃないかって思ったのに...」


あの人だこの人だと私の意中の相手を考える3人

…気付いてないし、このままこっそり風呂上がろう


バレないようにそーっと距離を置きながら立ち上がろうとすると、


「「「逃がすか！！！」」」


と肩をがっしりと掴まれた


爪食い込んで痛いです御三方



「結局誰なの？加茂くん？東堂くん？それとも新田？」

「やめた方が良いわよAさん。新田はまだしも、3年の男子は面倒ったらありゃしない」

『なんでその中にいる前提なの？』


まあ隠しててもどうせバレるし(てかバレてるし)、話してもいいかな



『もっと落ち着きがあって、物腰穏やかで、優しいよ。彼は』


強くて、呪霊からいつも私を守ってくれた背中はとても大きくて、頼もしくて。

一緒にいて、つまらないと感じる事なんて一度もなかった


なんで私といてくれたのか不思議なくらい、素敵な人(呪霊)


『だけどね、』

「「「？」」」

『…恋とか愛とか、そんな可愛いものじゃないよ』



純真と呼べるような恋心じゃない

絵本で見るような素敵な愛じゃない





一言で言うならば______、









『 “依存”、かな』




私の愛は、歪んでいる。

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