浅野君の親戚がE組に来ました【浅野学秀】

32　暖かい　日野谷です ページ33

ガラリ


A「おはようぐっ!?」


カエデ「Aちゃーん!!心配したよーっ!!」



はい、教室に入った瞬間、カエデに飛び付かれました。

カエデ、嬉しいけど痛いよ、放しておくれ。


速水「・・・あんな帰りかたしたら、心配するに決まってる。」


後ろから速水ちゃんもくる。


心配、か。


悪いことをしてしまった。


自分勝手なことして、心配かけてしまうなんて。



A「そっか・・・ごめんね、っていたたたた!!カエデ、ギブギブ!」


はい、ごめんねって言ったら、カエデにより強い力でぎゅうってされました。


この小さな体のどこにそんな力が!?


カエデ「こっちこそ、ごめんね!なんか、無理に問い詰めようとしちゃって・・・。」


A「いやいや、そんなことないそんなことない!!」


前原「浅賀、本当、ごめんな。浅賀の気持ち、考えてやれなくて・・・。」


えぇ!?なんか皆謙虚なんですけど!?怖い!!

前原が私に頭下げてる!!?


A「いやいやいやいや、顔あげて?あなたたちのせいじゃないから!!」


前原にこう言うと、今度は後ろから、ぽんっと頭に手を乗っけられる。


磯貝「無理にとは言わないけど、何かあったら相談しろよな?協力するから。」



皆、優しいな。


カルマだけじゃない。


皆、優しい。


でも、それは私にはそれがちょっと怖い。


頼ってしまいそうで。


皆の優しさを、失ってしまいそうで。



私は磯貝の言葉に、本心なのか、嘘なのかもわからない言葉を返す。


A「うん、ありがとう・・・!!」



何だろう、胸のあたりが暖かい。


懐かしい感じ。


でも、これは取り戻したからじゃない。


新しく、手に入れてしまったものだ。


私は、昔の暖かさを取り戻すために、ここにいる。



そうだ。あまり深入りしてはならない。


卒業だって、もうほんの数ヶ月のところまで迫ってきている。


皆とは、すぐにお別れしてしまう。


本当は、皆ともっと仲良くしたい。


でも、私にはここでやらなければいけないことがあるんだ。



自分のために。



学秀のために。



あの人のために。



千葉「・・・あんまり、考え込むなよ。考えれば考えるほど、わからなくなることだってある。」


私があの人のことを考えていたら、千葉にこう言われる。


なんか、妙に説得力(?)があるな。


A「うん!千葉も、ありがとう!」




私は、この時、気付いていなかった。


メールがきていたことに。


＊＊＊
次はソウルちゃん、ごめん!

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