アリガトウとサヨナラ

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｢さぁさぁ、もうほぼ完成してるからね。｣





座って座ってって
ソファに誘導される



向かいには宏光の顔

ずっとずっと大好きだった人、
今でも忘れられない人





｢A？やっぱ帰るか？｣


｢……ううん。いい｣





なんでいつもこうなんだろ
たいちゃんに心配ばっかかけてる



大丈夫、所詮元カレなんだよ、
しかもその人は彼女いるんだよ

落ち着け落ち着けって胸をトンっとした





｢久しぶりだな、A｣



その声が私の名前を呼ぶ
胸が跳ね上がるような感覚



｢あれ？宏光とAちゃんって知り合い？｣






“宏光” 桜木先生、呼び捨てしてるんだ
みっくんってよく呼ばれてたから

私だけ特別だと思ってたのに

宏光ってよぶの。




｢はは、高校の同級生です｣


｢……へぇ、そうだったんだ。｣


桜木先生、きっと何か勘ぐってる
だってぎこちないもん

私と宏光。



｢ってか、藤ヶ谷さんも俺らの高校の

先輩でしたよね？｣


｢あぁ。そうだよ｣



｢Aと仲いいんすね｣



｢…まぁね｣


｢A、おっちょこちょいなんで

面倒みてあげてください｣






なにこの会話。
ねえ、宏光、桜木先生の顔みてよ

不安そうな顔してるよ

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