アリガトウとサヨナラ

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「おはよ。」







「･･･おはよ。また一人で泣いたの？
こんなに目腫らして･･･馬鹿だな」






「へへ、ごめん。
でも、もう私ちゃんとサヨナラできたんだ。」







「それってアイツのこと？」






「うん、すっごく泣いちゃったけど
やっと前に向ける。」





「そっか、頑張ったな。」









優しい掌が私を褒めてくれる。









ありがとう太ちゃん


私のせいで沢山苦しめたのに、
諦めずにそばに居てくれて




私、最後まで心が揺らいで

こんなに私を大切に想ってくれてるのに




過去の恋に振り回されて









目の前にいるいつもと変わらない
優しい顔をした太ちゃんを見ると、



胸がきゅっとなる




それはきっと新しい恋の合図で









ていうかもう、始まってたんじゃないかな









「ねえ、太ちゃん」







「ん？」







「私を太ちゃんの彼女にしてください。」









好きって言葉をここで伝えるには
なんだか泣いてしまいそうで


だけど太ちゃんを見てたら



どうしても自分の気持ちを伝えたくなって









「今まで、たくさん苦しめてごめんなさい。
待っててくれたのもいつも傍にいくれたのも
本当にありがとう」









「A･･･、」









「私、太ちゃんと幸せになりたい」









「俺もだよ」









「太ちゃん、好きっ！」









結局我慢出来なくて
好きの一言を伝えれば



太ちゃんは本当に嬉しそうな顔をしてくれた



そんな顔を見てやっぱり
ジワっときちゃって









「こら、泣き虫。
早く行かないと遅れるよ。」









「ごめんね、朝から
でも、どうしても早く伝えたくて」









私の言葉に一段と優しい顔をして




何もかも包んでくれそうな手で
私の手を握って









「ありがとう、A。
絶対幸せにするから。」









その言葉に私、また泣いちゃったんだ。

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