アリガトウとサヨナラ

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約束の時間、2人で決めた待ち合わせ場所
それは、私と宏光がよく話して公園だった



宏光がそこがいいって言うから
そこにしたんだけど…

こんな場所で待ち合わせなんかしたら
過去を思い出してしまうのは
分かりきったことなのに。









｢よ、｣









相変わらずな調子で笑う宏光にちょっとムカついた









｢で、話って何？｣









ベンチに座っていきなりそう聞いてきた









もう、辺りは暗くて
宏光の顔がはっきり見えない


けど、それで良かったのかも









｢あのね、私 ちゃんと宏光と話したかったの｣



｢何だよ、改まって｣



｢私、宏光と別れてからも2年間、
ずっと宏光のこと忘れられなかった
ずっと、好きだった｣



｢･･･｣









“ 好きだった ” その一言を伝えた瞬間
色んな気持ちが込み上げてきて
うまく表せないけど今泣きたくなるくらい苦しい









｢宏光が私と別れた理由も納得出来なかったし
ずっと、またどこかで会えたらって
宏光とやり直せること望んでた｣



｢･･･｣



｢けど、本当に再会した時 びっくりして
逃げ出しちゃって･･･それだけでもう動揺してたのに桜木先生の彼氏だって聞いてもう訳わかんなくなって本当はあの時泣きたいくらいだった｣



｢･･･｣









私の言葉に相槌を打つことなく
ただひたすら真っ直ぐ目を見て話を聞く宏光


昔からそうだったよね


真面目な話は、真面目に聞いてくれる



そういう所も好きだったよ









｢宏光がもう違う人と幸せになってるんだって、その時は悲しくて辛くて仕方なかったけど、今はもう違うよ。宏光の幸せちゃんと願えるようになった｣




｢･･･｣



｢それは、私が今大事に思ってる人のお陰なの。その人の優しさのおかげでいつだって立ち直れた。

宏光はもうなんとも思わないだろうけど
私は今でもこうして二人でいると昔のこと
思い出して辛くなっちゃうから･･･


だから、今日で宏光と会うの最後にする｣









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