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「あぁ、そうだよな」



「…」



「ごめん、勝手な事言った」



「…」



「肉、まだ食えるか?」



「…今日はもう帰る」



「…」









込み上げてくる気持ちと涙を抑え
足早に店を出た

否定しないんだ
あそこまで言っておいて

結局、桜木先生が大事なんでしょ?


私の気持ちグチャグチャにして
楽しんでるの?



なんで


追いかけてくれないのよ









「…太ちゃん…会いたい」









どうしてこんな時に
太ちゃんに会いたくなるんだろう

今すぐ迎えに来て。
抱きしめてよ

俺にしろよって強引に私の気持ち奪ってよ…









勝手なことばかり思い浮かんで
本当私って最低









なのに私の足が向かう先は
太ちゃんのマンション









____ ピンポーン









「A?どうした?」



「…太ちゃんっ」









出てきてくれた瞬間
変わらない太ちゃんに安心して

感情任せに抱きついた


いつの間にか太ちゃんの匂いに、
落ち着くようになっていて









「…A、どうした?」



「…分かんない」



「…そっか」



「ただ、太ちゃんに会いたくなった」



「…A」







私のその言葉にぎゅっと
抱きしめ返してくれた


優しい太ちゃんの腕
ずっとこの場所に収まっていたい









「入って」



「…お邪魔します」









少しして涙引っ込んで私を見て
優しく笑って家に入れてくれた









「紅茶でいい?」



「…うん、ありがと」



「目、これで冷やして
腫れちゃうと生徒達に心配されるよ?」



「…うん」



「…」



「冷たっ」








氷渡されても冷やさない私に
意地悪する太ちゃん

その笑顔にこれまで何度救われたんだろう


心があったかくなるこの瞬間には
いつも隣に太ちゃんがいた



簡単に気づけたはずなのに
どうしてこんなに時間かかっちゃったのかな









「…太ちゃん」



「ん?」









“ 好き ”



その言葉はまだ胸の奥にしまっておこう








「なんでもない」



「ははっ、なんだよそれ」








この言葉は
宏光にちゃんとサヨナラできた時に

ちゃんと伝えるよ

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まき(プロフ) - すいません!レスのコメントが見れません(T . T) (2019年8月5日 1時) (レス) id: 2a792bfcb2 (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 玉にゃこMです!お久しぶりです覚えてますかね?新しい垢を本当に教えていただきたいです(^。^) (2019年7月25日 2時) (レス) id: 2a792bfcb2 (このIDを非表示/違反報告)
万里奈(プロフ) - Mielさん» こんにちは。ただいまです(T_T)温かいお言葉ありがとうございます、これからまたよろしくお願い致します。 (2017年6月27日 15時) (レス) id: 2033607cc2 (このIDを非表示/違反報告)
Miel(プロフ) - 万里奈さんこんにちは。おかえりなさい。待っていました。またお話が読めるのが嬉しくてたまりません。これからも楽しみにしています。 (2017年6月25日 16時) (レス) id: 5ce7b7cc41 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 万里奈さん» 万里奈さんのお返事ありがとうございます!はい!これからも楽しみにしてます(´˘`*) (2017年6月24日 1時) (レス) id: 10a6415505 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:万里奈 | 作成日時:2015年9月25日 18時

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