夢でなら起こせる奇跡だって6 〜ちゃんと、笑えなきゃ、ね？〜 (ページ3)

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もし全てが無駄になってしまったなら、ちゃんと罰を受けるから。ページ3

逃げた私は、公園のベンチに座っていた。虹がかかっている空を、綺麗だ、と思いたくて。
恋焦がれて仕方ないこと、それはクラスの皆にはきっとくだらないことで。
脳は、『もう、どうしようもないよ。』とでも言いたげに回らない。私はまた、きゅうくらりんとした感覚に襲われてしまう。

そばに持ってきた、彼がまだ、素直に笑っていられた頃の写真。それを見ていると、さらに心を締め付けられる。もう咲くことのできない、枯れ落ちてしまった蕾を見ていると、「想いを伝えたい」という本心はこんなにも汚らわしくていじらしいものだったのか。

きっと溜め込んだ思いはいつか呪いになってしまうんだ。だから「諦めた」って言わなくちゃ。
頭の中で、彼と出会って、恋に落ちて…というノイズの混ざった映像が終わらないから。空っぽになった心が埋まらないこと全部ばれていたらどうしよう？遥か昔に、【あの子】が言ったように、きっと終わりなんだ。

あぁ、幸せになってしまうよ。だけど失うのが苦しい。私は、伝えたいけど、伝えたくない。そんな2つの感情が真っ黒い渦になって心を飲み込む。もし、全部が無駄になってしまったなら、ちゃんと、君を愛してしまった事への罰を受けるから。
本当はとても優しい君の、胸で子どものように泣くことができたら、どれだけ楽になれたのだろうか。
最後に見たのはそんな夢。
私はまた、君にちゅうぶらりんな態度をとるんだ。

【宙ぶらりん】についてと次回の話。→←君には知ってほしくないのに＿。