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私。きゅう、くらりん。 ページ1
今日もうるさく鳴いた目指し時計の文字盤を見てた。鏡越しでよく見えなかったけれど、8時過ぎのにおいがした。自分のぱっとしない顔は変わってなくて少し安心する。
水をやったピンク色の鬼灯を育てている植木鉢のそばに大きく育った果実が一つ。その近くにあった結ばれた蕾を見ていると何故か心が苦しくなる。
目が合うと、どうすればいいのかわからず、まるで化石になってしまう。
だけど、恋していることが君にバレたくないから取り繕っていたい。ちゃんと笑えなきゃだめだよね。私には君のように大した取り柄なんて無いからさ。空っぽになった心が埋まらないこと、全部ばれてしまっていたらどうしよう？
帰るときには君の右どなりに立っている。だけど伝えられない不甲斐なさや彼のファンの人たちに対する罪悪感で心がきゅうと苦しくなり、くらり、と倒れそうになる。
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