雪が丘こども病院2 (ページ30)

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治療⑨(副作用) ページ30

大吾Side

今日は金曜日なのもあって少しバタバタしてる

ナースコールがなった
ん？蓮？今何もしてなかったよな

大吾「蓮どうした？」

蓮「康二が…康二が…」

大吾「わかった
　すぐ行くね」

蓮が喋ってる奥で聞こえた嗚咽音
嘔吐してるのか
すぐに吐き気止めを持って向かった

ｺﾝｺﾝ

大吾「康二ー大丈夫？」

ガーグルベースンを持っていたけど間に合わなかったのかパジャマとシーツに吐物が落ちてた

ナースコールで応援を呼んだ

大吾「カーテン閉めるね

　康二ー吐き気止め点滴するからちっくんするよ」

康二「……ちっくんいや…」

大吾「ちっくんしないとずっと気持ち悪いままだよ」

康二「……いたくせんでよ」

大吾「わかった」

いつもなら胸のカテーテルから入れるけど
今はお薬を入れてるから使えない

大吾「腕ぎゅってなるよ

　スースーするよ」

ﾁｸｯ

大吾「はい終わり
　お薬入れたからね」

ご飯をほとんど食べれてないから吐いてるのはほとんど胃液

ｺﾝｺﾝ

丈一郎「康二大丈夫か？」

温タオルとシーツを持った丈くんがきた

背中を擦りながら
大吾「気持ち悪いの全部出しちゃおうね
　我慢しちゃうと逆にキツいよ」

吐くものがなくなってきたみたいで嗚咽が続く

止まってきたかな

大吾「康二おてて拭こうか」

吐物が付いた手を温タオルで拭く

大吾「風邪ひいちゃうからお着替えしようね」

康二「……おん」

康二は体調が悪い時は体幹がふにゃふにゃになる
それに加えて吐いたことで体力の消耗が激しくて自分で着替えることができない

大吾「康二上からねー」

お着替え完了

大吾「康二、ベッドキレイキレイするから大ちゃん抱っこでいようね」

ｺｸﾝ

俺が康二を抱っこしている間に丈くんがテキパキとシーツ交換をしてくれる
7歳にしては小さい康二の体が震えていた
俺は静かに康二の背中をさすった

丈一郎「康二待たせてごめんな
　キレイキレイしたからゆっくりしい」

康二「……おおきに」