十九匹 ページ19
風呂から上がり、Aと二人で床に寝転がっていると、扉を叩く音がした。
「……私が出ましょうか」
「いや、いい」
Aの本来の姿をこれ以上他の者に見せるのは心地悪い。
Aに隠れているように視線を向け、扉に向かって開ける。
「冨岡!!元気そ___」
一回扉を閉めて、急いでAの元に向かった。
早く水をかぶらせなければ
「A、かぶれ」
「え何をですか?」
「……行くぞ」
腕を引いて風呂場に連れて行く。
「脱ぐんだ」
「えぇ!?さっきお風呂入っ…」
「すまない、急ぎだ」
Aは察したのか、帯を緩め始める。
その時、
「冨岡?入らせてもらうぞ!!A!!この杏寿郎がやって来たぞ!」
「あ、杏寿郎さんがいらっしゃっているのですね」
「そうだ」
俺も急いでAの着物を脱がす。
Aの着物をある程度受け取り、風呂場から出ると、
「……よもや、冨岡」
「……」
「女性を連れ込んでいるのか?Aがいるというのに」
「……」
杏寿郎は少し青筋が浮かんでいる。
「Aはどこだ!どこに、居る!いつもならすぐに俺の髪めがけて飛んでくるというのに!まさか、そこの風呂場の女に……いじめられているというのか!」
「……」
どう説明したら、Aの正体を隠せる。
「A!!」
「待て、煉獄!!」
「そこの女性、失礼する!!Aをいじめるのは…」
「あ、きょうじゅろう!髪がある!」
「む……?うむ!髪はある!それより!びしょ濡れではないか!A!!早くお風呂に浸かりなさい!」
「煉獄!やめろ!!」
思っていたよりも大きな声がでた。
着物を投げ捨てて、煉獄の腕を掴む。
「何故だ。Aは寒そうだ。冷水を浴びたようだ」
「拭けばいい」
「風邪を引いてしまう!!冨岡、君は五歳の少女に冷水だけを浴びせ、風呂には入れさせないのか!?」
煉獄の額にピキピキと青筋が浮かんでいる。
「見ていられないな!A、俺の家に戻り、千寿郎も誘って三人で風呂に入るとしよう」
「みんなでお風呂?」
「うむ!風呂だ!」
「お魚ぷかぷか浮かせる?」
「驚くな、俺の家の風呂は柚子が浮いている!!」
「ゆず?」
「……ダメだ」
「冨岡、ここは俺に」
「認められない!!煉獄、今すぐAを離せ」
大きな声で怒鳴ったせいか、Aが泣き出してしまった。
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古猫丸(プロフ) - 義勇さん(義勇と杏寿郎推しさん)さん» わぁぁ!!本当ですか!ありがとうございます(*´ω`*)面白くて楽しい、だなんて!!とても光栄です!むふふ( ´艸`)、義勇さんの応援まで!ありがとうございます(*^^*) (2021年2月21日 19時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
義勇さん(義勇と杏寿郎推しさん) - 面白い....!楽しい....!(これからも)頑張れ....(義勇) (2021年2月21日 19時) (レス) id: c088eaa142 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - あさがおさん» 以前に見てくださって居たのですねっ!見つけていただいて嬉しいです!!(*´ー`*)これからも見ていただけたら、嬉しいです!!素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2021年1月21日 23時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
あさがお(プロフ) - 前に見てたんですけど、タイトル忘れちゃって探してたら見つけた…!!いつも楽しく読ませていただいてます(*´▽`*) (2021年1月21日 23時) (レス) id: a880b45ead (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - シルバーウルフさん» はいっ!嫌われていませんよっ!(*´ω`*)夢主ちゃんと最後に仲直りできたので、万々歳です(*´∇`)コメントありがとうございました! (2021年1月21日 22時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
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