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十八匹 ページ18

「あ、もう、はい、雨が降ったんですね……」
「あぁ」





二人で湯船に浸かる。



「義勇さん」
「なんだ」
「今日の夕ご飯はどうしますか?って話でしたよね?どうします?」
「鮭大根…」


そう言うとAが口をふくらませる。




『ぎゆー、止めて!!』
ふと幼い彼女の姿と重なる。





そっと手を伸ばして、頬を潰す。

「ぶっ……ちょ!!義勇さん!?」
「……むふふ」
「義勇さん、私は真剣に…!」
「可愛い」




そう言えばAは茹でダコのように顔を赤くする。

「そ、そういうのはですね、急に……」
「…茹でダコのようだ」
「え?」
「A、茹でダコ」


そんなに照れるとは可愛らしいものだ。
ムフフと笑っていると、Aに怒られてしまった。



「私はタコではありません!!」
「…?」
「義勇さんだってほらっ!!どうです?頬を潰された感覚は!」


Aは俺の頬を両手で挟み込む。



「ふふだ」

普通だ、と言おうとしたが、伝わらない。
Aがふふっ、笑う。


「義勇さん、いつもお綺麗な顔をされているのに、今はちょっと可愛いです」
「…」


ゴンッ


「義勇さん!?」


つい、クラっと来てしまい、壁に頭をぶつけてしまった。



「義勇さん!?」
「……ふふだ」
「あっ、すみません!」

パッと手を離すA。


なんだか名残り惜しくて、彼女の手を取って、そっと自身の頬に添える。



「…もっとしてくれてもいい」



ボーッと彼女を見つめれば、彼女は顔を更に真っ赤にしていた。


「…のぼせたのか…?」
「ち、違います!!」


Aは手を急いで抜き取って、風呂から出て行ってしまった。





「…怒らせてしまった……」




ちゃぷんっと肩まで浸かり、風呂の縁に寄りかかる。



彼女に触れられた頬が熱を帯びる。



「むふふ…」



何となく嬉しくなって、一人風呂場で笑った。

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古猫丸(プロフ) - 義勇さん(義勇と杏寿郎推しさん)さん» わぁぁ!!本当ですか!ありがとうございます(*´ω`*)面白くて楽しい、だなんて!!とても光栄です!むふふ( ´艸`)、義勇さんの応援まで!ありがとうございます(*^^*) (2021年2月21日 19時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
義勇さん(義勇と杏寿郎推しさん) - 面白い....!楽しい....!(これからも)頑張れ....(義勇) (2021年2月21日 19時) (レス) id: c088eaa142 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - あさがおさん» 以前に見てくださって居たのですねっ!見つけていただいて嬉しいです!!(*´ー`*)これからも見ていただけたら、嬉しいです!!素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2021年1月21日 23時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
あさがお(プロフ) - 前に見てたんですけど、タイトル忘れちゃって探してたら見つけた…!!いつも楽しく読ませていただいてます(*´▽`*) (2021年1月21日 23時) (レス) id: a880b45ead (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - シルバーウルフさん» はいっ!嫌われていませんよっ!(*´ω`*)夢主ちゃんと最後に仲直りできたので、万々歳です(*´∇`)コメントありがとうございました! (2021年1月21日 22時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:古猫丸 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月4日 19時

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