子猫と勘違いして人間拾って来てしまった水柱さんの話。

二匹 ページ2

「不死川」
「消えろ」
「…すまない、今日はおはぎは無い」
「……本気で消されてぇのかァ？」

これも友達のじゃれ合いというもの。
ここまで仲良くなるのに、たいして時間はかからなかった。

「不死川、猫を拾った」
「はァ？」
「名前はクロだ」
「興味ねェよ」


「飼い方を教えて欲しい」

そう言うと、不死川は黙り込んだ。


「…仕方ねェな、まず、病気がねェか健康状態を確認しねぇといけねぇんだよォ。拾った猫はよォ」

こうして不死川を屋敷に招いた。







＊＊＊



「……冨岡…テメェの頭はどうなってる」
「…？」

不死川はプルプルと震えている。


「明らかに人間じゃねェか！！それもこんなにも弱っちまってよォ！！」

不死川はクロを抱き上げ、屋敷を飛び出した。

「……人間？……ハッ！！」



クロは人間だったのか。




クロは蝶屋敷に連れて行かれた。

「不死川さんが連れて来なければ、大変な事になっていましたよ」

胡蝶は、少し切なそうに寝ているクロを見て言った。

「冨岡さん、この子はどこに居たのですか？」
「猫かと思って拾った」
「……冨岡さん…」

胡蝶は眉間を押さえていた。

「おい冨岡、コイツの母親とか近くに居なかったのかァ？」
「クロは箱に入っていた」
「…それはひでェ親だ」

「冨岡さん、人間の女の子にクロはないです」
「そうだ、クロはねェだろォ」
「シロ…」

「…冨岡さん、だから嫌われるんですよ」


名前はとりあえずクロが起きるまで保留となった。

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