及川徹 ページ8
朝練遅刻!と叫びながら、家を飛び出したけど、学校についてから朝練がないことに気づいた
「俺の食べれなかった朝ごはん返して〜...」
食堂でなにか買いたかったけどこの時間だし開いてない
空腹が満たされないまま、靴を履き替えた
職員室に教室の鍵をとりに行ったけど、なかった
もう空いてるみたい
こんな時間から学校に来るなんて真面目な子がいるな、と思った
教室のドアを開けると、
.
「あれ?及川。おはよ」
早くない?といいながら、その子はこちらを見た
なにか勉強をしていたたらしい彼女は、俺のななめ後ろの席の、たしか...Aちゃん
「及川も宿題がっこに忘れたの?」
「ちがう。朝練あると思ってきたけどなかったんだよー」
「そりゃつらいな」
彼女は笑いながら言う
どうせ暇だしと思い、俺は自分の隣の席、つまり彼女の前の席に座った
「席まちがってんよ」
また笑った
彼女は笑ってるほうがかわいい。そしてそれを自覚してるっぽい
「Aちゃんの顔がみたかったのー」
「すぐそゆことゆう〜」
終始笑顔。笑顔は一番の武器というけど、まさに彼女はその状態。
笑顔がきれいだと惹かれるらしい
.
目がきゅっと細くなって
その目にきれいに沿ったくっきり二重
ほおにできる小さなえくぼ
唇のあいだから少し覗く白い歯
最後に形のいい、薄いオレンジリップののった唇
つい、見とれてしまった
俺はその時何を思ったか、彼女の名前をよんだ。彼女は顔をあげる
そして、俺の目を見てほほえむ彼女にキスをしてしまった
.
「...は?」
彼女は当然おどろいたが、すぐに引いたような、怒ったような顔をした
「何すんのよ」
「いや、ごめん、そのなんかきれいで」
何わけわかんないこといってんの、きもい
と言い捨てて彼女は教室を出ていってしまった
.
あとから聞いた話だが、彼女はマッキーと付き合っていたらしい。
そんなに後悔はしてない、と思う。
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ひのちか(プロフ) - 颯さん» こんにちわ。そう言って貰えてありがたいです!これからもよろしくお願いします:) (2020年3月3日 4時) (レス) id: 833028814c (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 初コメ失礼します。この短編凄く好きです。胸キュンが凄いです。更新頑張ってください。 (2020年3月2日 23時) (レス) id: ec9a814c94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひのちか | 作成日時:2019年10月30日 22時