白い鳥かご (Yuri.C)

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Yuri side



季節は巡って、24時間テレビの本番をむかえていた。



次はとうとう、僕の番、、。



Aの事、、しっかり伝えないと、、。



司会｢次は知念さん、よろしくお願いします。｣



『はい。僕が取材したのは、僕と同い年の、、笑顔のかわいい女の子でした。』



画面にはAの微笑んでいる写真が映し出される、涙を堪えきれずに、思わず後ろを向いてしまった。



伝えなきゃ、、、。



涼｢知念が出会った彼女は、重い病と戦っていました。｣



薮｢脳腫瘍と心臓病を患い、医師から宣告されたのは、、余命３年。｣



裕｢取材を始めた頃には、もう2年が経っていました。｣



大｢それでも彼女は、いつもこの優しい笑顔で僕達と接してくれました。｣



涼｢知念、、？｣



グイッと涙を拭って振り返る。



『いつも笑顔で、一生懸命に生きていた彼女の事を、どうか知ってください。』



画面には出会った頃からのAの映像が流れ、最後にAがもうこの世にいないことを知らせるテロップ。



メンバーみんなが涙を流す中、何故か僕だけ涙が出てこなかった。



司会｢ここで、Aさんのお母様がいらしています。｣



司会の人とAのお母さんが、生前のAがどんな子だったかなどを話しているけど、全然頭に入ってこない。



ぼーっと1点を見つめていると、｢知念くん｣と急にAのお母さんから声をかけられた。



ぱっと顔をあげると、Aのお母さんがすぐ近くにきて、封筒を差し出した。



母｢あの後、病室の引き出しに手紙が入っているのを見つけたの。まだ元気がある内にみんなに書いてくれたみたい。これは、知念くんに。｣



｢侑李へ｣と可愛らしい字で書かれているのを見て、一気に涙が溢れる。



母｢、、ほら、、泣かないでって言われたんでしょ？Aに怒られるわよ？あの子、怒ると怖いんだから。｣



『、、、はい。』



そう言って手紙を受け取ったけど、涙はなかなか止まってくれなかった。






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