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「え?ほら…あのEXILEの…」
「お前……言うなよ……」
EXILEの…って言葉に、思わずノンアルビールを吹きそうになって、慌てて飲み込んでむせてしまい、咳き込んでおしぼりをもらった。
…危ない危ない。
っていうか、かなり驚きです……。
「大丈夫?」
『大丈夫です』
…そのLDHの社員さんが横に動いてきて、背中を撫でようとするから、身を捩って手をかわすけど……
L字型のソファー席の端をキープしてたのに、横に来られてしまった…。
「田中ちゃん、交換しなよ!ライブとか招待してもらえるかもよ?」
「芸能人に会えるかも…いいなぁ〜」
先輩達は完全に興奮状態。
LDHで事務系の仕事をしているというその男性も、みんなも、ちょっとニヤニヤしてて……
なんか……いつもこんな感じで女性を釣ってるのかな、なんて思って…
正直、怖いなって………。
「もしかして、俺、怖がられてる?」
…ヤバ……顔に出た…?
というか、みんなが怖いですけどね?
「そりゃ怖いんじゃない?
男に免疫ないでしょ?」
「優しくしてやれよ?」
面白がってるような…冷やかすような…
そんな視線ばかり。
…あぁ……なんかもう…
無理だって思っちゃった。
心が、完全にシャットアウト。
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作者名:ひな | 作成日時:2024年3月28日 18時