ひまわり 17 (ページ16)

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離れの個室は、お部屋での食事が選べたらしく……
着く時間に合わせて用意をしてくれていた。

「ごゆっくり……」

女将さんが案内の後で笑顔で部屋を出ると、隼と２人で向かい合わせでテーブルに着く。

「めっちゃお腹空いてたんだよね～」

『私も』

一緒にちゃんと食事するのも…どのくらい振りだろうってくらいで……

それだけで嬉しくなる。

『そうだ……』

ちょっと気になったこと……聞いてみよう。

『タクシーのドライバーさん……私が降りる時、なんか笑ってたよね……
私、もしかして寝言とか言ってた？』

「あぁ……違うよ？」

ライブ会場から旅館まで、結構距離があったから、お礼込で料金以上を渡したんだって……
何か美味しいもの食べて下さいって。

ちょっとテレたように話す隼の顔が……すごく愛おしい。

『ドライバーさん……喜んでたんだね』

「ん…。そうっぽい」

ニコニコの隼に、私の顔も緩んでしまう。

『私の彼氏は最高だなぁ…』

「なんだよ～。テレるじゃん！」

おどけたようにテレ隠しするのが、余計にかわいいんだよな……。