644 ページ44
「涼太くんなんかじゃなくて、俺の腕にしてよ…」
口を尖らす隼の腕に掴まると、よしって頷いてる。
「君たち……俺らの存在忘れてる?」
「何を見せられてんの?」
「イチャイチャすな……」
ジェネのみなさんが後ろに居たの……完全に忘れてた……。
「いいじゃんよ……」
開き直る隼が、私の足元を見て眉を思い切り下げた。
「ってかさ…すごい痛そうじゃない?」
『そうなんだよね……』
なかなか腫れも引かないし……。
「とりあえず、トレーナーに診てもらう?」
玲於くんの一言で、行き先はバンドの楽屋じゃなくてトレーナールームへ……。
なぜか隼だけじゃなく、玲於くんも一緒に来てくれた。
「どうっすか?」
「ん……。レントゲン見ないとなんとも言えないけど……
もっかい受診した方がいいと思うな…。
打撲だけで、これだけ腫れが引かないのも心配だし……」
トレーナーさんが、知り合いがいるっていう病院を紹介してくれて、明日の朝イチで診てもらえるように連絡を取ってくれた。
「どうしよ……」
反省会の会場へ、早足で向かった玲於くんの後ろから、隼とゆっくり歩く…。
150人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひな | 作成日時:2023年12月14日 18時